好きな人の名前を自分に刻むっていう背徳感の話(七マリ)「タトゥー、か」
「わぁ、凄いね」
昼休み、ご飯を共にした私達は雑誌を広げてお喋り。七ツ森くんが今日持ってきてくれた雑誌は、普段はあまり見ないジャンルだから少し新鮮だ。ぺらりとページを捲った先には、太い腕に見事なタトゥーを入れている男の人が写っていた。
「あんた、こういうのスキ?」
「凄くってわけじゃないけど…綺麗だし、かっこいいと思うよ。七ツ森くんは?」
「俺もそんな感じ。温泉入れなくなんのがキツそうだけど」
確かに、と頷きながら口角を上げる。そういうデメリットはあるけど、タトゥーには底知れぬ魅力がある。オトナでセクシー、って感じ。……タトゥーシールとかなら私でも出来るかな。夏休みの間に挑戦してみようか…なんて妄想も広がる。
2742