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    Noel_Sousaku0

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    Noel_Sousaku0

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    多分これ以上の続きを書かないと思われるので供養アゲ

    りょみぱの二人が雰囲気いちゃつく話23区の路地裏に、とんでもない人気店というわけではないが長く続くミートパイの店がある。
    男女2人組で切り盛りするそこはなぜか今日に限って普段来る客の倍近い客が押し寄せ、あっという間に仕込んでいた数量を完売してしまい、追加で仕込んだパイもあっという間に売り切れてしまった。
    厨房長の良秀は目の回る忙しさに「な・き・い」(なんだって今日はこんなに忙しいんだ)と要点のまとまりすぎて意味の通じない悪態をついていたし、助手のグレゴールは店頭で客をさばきながら「うちはいつからこんな人気店になったんだ…?」と目を回していた。

    明日の分の肉にまで少し手を付けてしまったせいで閉店の看板にかけ替えた後も二人は忙しく肉の調達やら仕込みやらに追い立てられ気づけば夜もすっかり暮れていた。
    やっとひと段落つこうということになり、分厚い革の手袋とゴム引きのエプロンを外し、ずっと立ちっぱなし、刃物を振り回しっぱなしだった体を軽くひねるとくたびれた関節からバキバキとすさまじい音が鳴る。
    音にいささか驚いたものの関節の間の空気が抜けて少ししゃっきりした気持ちになったグレゴールは小さく息をつきながらコーヒーを淹れ始めた。

    「グレゴール、そこに座れ」
    「あぁ…?」
    「は・し」
    「へぇへぇ、人遣いの荒いシェフだこと」

    グレゴールがちょうどカップにコーヒーを注ぎ終わったのを見計らってか、ただ思い付きでなのか、良秀がその背中に声をかけるとやや疲れた声が返ってきた。
    カップを手渡しながら指示された長椅子に腰を落ち着けると上着のボタンをはずしながら良秀がグレゴールの太腿あたりを背もたれ代わりに横になる。
    どかっと無遠慮に横になってきたせいで全開になった上着がはだけてミルク色の素肌があらわになると体のいい背もたれ代わりにされたグレゴールは非難めいた声を出した。

    「なんだよ、見えてんぞ」
    「な・よ」
    「ハッ、お前相手にしねぇよ。少しは慎みを持てってんだ。あと風邪ひくぞ。」
    「やかましいな」

    良秀は小さくそうつぶやくとふぅ、と吸っていたたばこの煙をグレゴールの顔に吐きつける。
    顔に煙を吐きつけられるのもこの気まぐれすぎる厨房長に師事してからすっかり慣れたもので
    最初のころは毎度文句を言っていたが今では何も言わずに自分の咥えているたばこの煙を吐き出すのみだった。

    「煙を顔に吹き付ける意味って知ってんのか?」
    「お・し・ば か?」
    「馬鹿にはしてねぇよ、ただ知ってんのかなと思って聞いただけd…んぐっ?!」
    「ん…ふっ...フン、まぁまぁだな」
    「んん、ぐ、ぅ...っは…いってぇ…」
    「さっさと用意しろ」

    不意に襟をつかまれ、首を無理やり下に引っ張られたかと思いきやその唇に文字通りかみつかれ、目を白黒させているうちに滲んだ血をすすられる。
    口内にそのまま入ってきた舌を絡ませながらする口づけは鉄とたばこの味がした。
    唇が離れると舌の肥えた良秀にまぁまぁの評価をされたことに少し喜色を滲ませながら唇が切れたことに若干の抗議をするがそんなのはどこ吹く風と己のしたいことしかしない良秀にヒラ、と手を振って用意して来いとあしらわれてしまう。
    ムードもへったくれもない夜の誘いにグレゴールはため息をつきながら立ち上がると健気にバスルームへ向かうのだった。

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