りょみぱの二人が雰囲気いちゃつく話23区の路地裏に、とんでもない人気店というわけではないが長く続くミートパイの店がある。
男女2人組で切り盛りするそこはなぜか今日に限って普段来る客の倍近い客が押し寄せ、あっという間に仕込んでいた数量を完売してしまい、追加で仕込んだパイもあっという間に売り切れてしまった。
厨房長の良秀は目の回る忙しさに「な・き・い」(なんだって今日はこんなに忙しいんだ)と要点のまとまりすぎて意味の通じない悪態をついていたし、助手のグレゴールは店頭で客をさばきながら「うちはいつからこんな人気店になったんだ…?」と目を回していた。
明日の分の肉にまで少し手を付けてしまったせいで閉店の看板にかけ替えた後も二人は忙しく肉の調達やら仕込みやらに追い立てられ気づけば夜もすっかり暮れていた。
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