君のいる日常に生かされている「ナナミン、お帰り! 出張お疲れさまー」
玄関のドアから飛び出してきたのは出会った頃より二回りは大きくなった、年下のパートナー。
「ただいま。お土産の松前漬けです」
「おわー、数の子いっぱいのやつだ。半分冷凍しとこ!」
「試食はとても美味しかった。日本酒に合いそうです」
「日本酒!イイネ!」
「残念ながら、時間がなくて日本酒は買えなかった」
「えー」
声とリアクションの落差にクスクスと笑いながら、七海は悠仁の肩に手を置いた。
「後で買いに行きましょう」
悠仁は天井に向けていた顔をバッと七海に向け
「応!」
ウキウキとお土産を手にキッチンへ向かった。
そんな背中を見送りつつ、七海は着替えのために寝室へ足を向けた。スーツをハンガーにかけ、揃いで買った薄手のハーフパンツを履いたタイミングで、悠仁が部屋に入ってきた。
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