媚薬依存体質 act.2目が覚めた時には、職員室のソファーの上。
瞼をあけたその数センチ先に、宝石のような青い目があって、心臓が大きく跳ねあがった。
額に、頬に、白い髪がサラりとあたる。
「三日と持たなかったね」
低く、澄んだ、落ち着いた声。
「五条、先生…?」
掠れた声で名を呼ぶと、その開いた唇を、五条先生の唇が覆った。
トロトロと、俺の中に流し込まれる液体。
ああ…そうか、俺…。
ボヤける頭で思い出す。
昼休み、教室で。伏黒と釘崎と一緒に昼飯を食っていた。
今朝、寮のキッチンで、自分で作った弁当。
卵焼きを食べようとした瞬間から、記憶が無い。
きっとまた、呪力切れでぶっ倒れたのだ。
五条先生から呪力をもらって、丸二日が経っていた。
口の中に流し込まれた液体…先生の唾液を、コクンと喉を上下して飲み下す。
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