クリームイエローの至福。(レントキ)無性にクリーミーな甘いものが食べたくなった。とはいえ、彼も自分も普段食べないものだから、この家に甘味の類いは殆どと言っていいほど何もない。
材料さえあれば作れなくはないが、少量を作るにしろ余剰が出るのは目に見えている。さて、どうしたものか……と一先ず冷蔵庫の扉を開けてみると、そこには見覚えのない箱が目に入った。
「これは……プリン、?」
開封済みらしい箱の蓋を開ければ、赤紫のパッケージから季節限定物と推測出来る二色の黄色にカラメルと三層になった品が一つ、そして濃い黄身色をした通常のものの二種類が顔を覗かせる。
一つ取り出して目線のところまで持ち上げれば、プリンの底に沈んだカラメルがガラス容器越しにキラキラと照明の光を反射して美しい。
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