伝えるのは、○○で。「……類、その、もういい加減……」
「やだ。司くんだって気持ちいいでしょ?もう少しこのまま」
僕の腕の中でうぐ、と言葉を詰まらす、愛しい人。
そんな僕の、視線の先には。
ピクピクと震えている犬耳と、ちぎれんばかりに左右に振られている、尻尾があった。
----------------------
それは、学校もワンダーステージもお休みとなった、ある日のこと。
いつも通り機材の調整をしていた僕のところにやってきたのは、レンくんだった。
大慌てで「司くんが大変なんだ!」と告げられ、急いで向かった先には。
犬耳と尻尾が生え、落ち込んでいる司くんと、そんな司くんを励まそうとおろおろする、カイトさんだった。
向かってる途中で、こうなったのは僕も関係していると言われたのも相まって、カイトさんから司くんを引き取ったのだが。
2608