2/22の萌目[ねこの日]
「2/22だね目金君」
「初めに言っておきますが、猫耳は絶対に付けませんからね」
「待って僕まだ何も言ってない」
「違うのですか?」
「違わないけど……違わないけど!」
「なら良いじゃないですか」
「良くないよ!僕は!目金君の!猫耳姿が見たいです!!!」
「叫んだところで僕の気持ちは変わりませんよ」
「うう、目金君が意地悪だ……」
「僕からしてみれば、記念日にかこつけて恥ずかしい思いをさせてくるパートナーの方が余程意地悪だと思いますがね」
「……僕が猫耳を付けたら目金君も付けてくれる?」
「どうぞお一人で」
[温泉マークの日]
「調べてみたんだけど今日は温泉マークの日でもあるらしいね」
「へえ、どういう由来なのですか?」
「温泉マークの湯気の部分は2が三つ並んでいるように見えるからなのと、温泉には『風情、風景、風味』の三つの『ふ』が入っているからだってさ」
「ふうん。面白い理由付けですね」
「……ところで、目金君って温泉への苦手意識ってあったりする?」
「?いいえ。合宿所で使用した浴場は大人数用の物でしたし、その手の施設への抵抗はありませんが」
「じゃあさ、もし良かったら今度の土日休みに一緒に温泉にでも行かないかい?旅費は僕が出すからさ」
「別に構いませんが、随分と急な話ですね。また何か企んでいるのですか?」
「えっ!?あ、いや、その。そう言えば目金君とこういったところには行った事が無かったなーって思っただけだよ?本当だよ!?」
「…………」
「……何だいその目は」
「……もしかして、僕の館内着姿が__浴衣姿がみたいから誘った、なんて事ありませんよね?」
「…………ソンナコトナイヨ?」
「図星じゃ無いですか」
「ううう、いいじゃないか別に。普段と違う格好をした恋人の姿が見たいという願望は、そんなにも悪いものなのかい?」
「別にそれくらい構いませんが、漫画君の場合その後の夜の営みまでセットじゃ無いですか。それを分かった上で素直に承諾なんて出来る訳が無いでしょう」
「……バレてた?」
「寧ろバレてないとでも?」
「いやあ、うん。正直に話すと露天風呂付き客室でも借りて、目金君と一晩中イチャイチャしてみたいなあと思って誘ったんだよね。浴衣姿の目金君を抱くってシチュエーションは温泉旅館だからこその物だからさ」
「本当に素直に話しましたね。猫耳然り浴衣姿然り、よくもまあ下らない事をポンポンと思い付くものですよ。……まさか、猫耳の下も温泉旅行へのハードルを下げるためのブラフだったのですか?!」
「いやそれは本当に見たかったから試しに聞いてみただけだよ。目金君の浴衣姿が見たいって思ったのも、猫耳以外のネタは無いかなって色々と調べているうちに温泉マークに辿り着いたのがきっかけだったからね」
「何だ、感心した僕が馬鹿みたいじゃ無いですか」
「あはは。ごめんごめん。……それで、どう?温泉旅館、一緒に行ってくれるかい?」
「……漫画君が今抱えている原稿を無事仕上げられたら、次の休みに行きましょうか」
「いいの?やったー!約束だからね!絶対だよ!」
「はいはい」
[その他に]
「そう言えば、今日はカツカレーの日でもあるらしいよ」
「へえ。なら今日の昼はカレー屋さんにでも行きましょうか」
「賛成ー」