2021.12.11「不死身の長兄」web拍手お礼画面③ 俺が先生と旅をしていたのは、1年ほどの間のことだった。
先生は俺を連れて、あっちこっちの街へ行った。故郷のランカークスからほとんど出たことがなった俺は、見るものがみんな目新しくて、新しい街に行くたびに心を躍らせていた。
それぞれの街ごとに気候や風土が異なり、特色があって、何より旨いものが違う。
先生と一緒に街の食堂やバルに入り、その街ごとの郷土料理を食べるのが、俺にも楽しみになっていた。
その日は、ギルドメイン大陸の外れ、ベンガーナの南の街に泊まり、俺たちは、翌朝、ここからホルキア大陸に渡ろうとしていた。
入ったバルでは、店主が俺を見るなり、ひとこと言った。
「坊主、いくつだ?」
「あ、この子は15歳です。私が保護者です。お酒は飲ませませんよ。」
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