ラズベリーブラッド「いっ……」
本を捲ったときに指先に感じた痛み。
見てみるとやはり薄く切れていた。
「あー……やっちゃった」
僕は本を汚さないように棚に置いて、その脇のティッシュで指を拭った。
傷は浅いようで深く 思ったよりも出血していた。
「絆創膏……、下にあったっけ」
僕は部屋のドアを開けて階段をゆっくりと降りていった。
「んー……シュウ、どうしたー?」
1階のリビングではミスタがソファに寝っ転がってアイスキャンディーを咥えていた。
「ミスタ、絆創膏知らない?」
「ん?絆創膏?ンェ、リビングの棚にでもあるんじゃね?」
ミスタは身を乗り出しながら、アイスの棒を舐めている。
食べ物を口に含んでいるせいか呂律が所々曖昧だ。
僕は扉をあけて医療箱を探すが それらしきものは見当たらない。
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