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    tooi94

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    tooi94

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    銀の棺にガーネットが入ってるアクセサリー見かけてかわいくて書いた

    #ロナドラ
    Rona x Dra

    棺の色のロナルドくんロナルドくんはひとつだけ、誰にも内緒の貸し倉庫を持っている。
    そこには銀でできた、ごくシンプルな洋風の造り棺が預けらている。彼の職業を知ればそれがあってもなんの不思議もないのだけれど、これはロナルドくんの秘密の棺なのだ。
    オーダーメイドのそれは、それならお値段の張るものだ。
    けれどロナルドくんは、それを使うわけでも飾るわけでもなく。
    銀というは手入れしないと黒ずんでいくのだけれど、ロナルドくんはそれを年一に状態を確認するくらいで、基本的に錆び付くまんまにほったらかしてる。
    もちろんロナルドくんだって、それを使う時くらいにはピカピカになおして、ふかふかの赤い内装で飾って、めちゃくちゃ居心地いいようにしてやるつもりだ。
    ただ、そんなふうにピカピカにせずにほったらかしのままにできているのが、今のロナルドくんには安心なのだ。
    ロナルドくんがこの棺を使うとしたら、中に入れるのは当然、ロナルドくんの吸血鬼だから。
    ロナルドくんの吸血鬼はすぐ死んで生き返る、我儘で奔放で、優しいような意地悪なような、面倒で厄介で大事な奴だ。
    ロナルドくんは、ロナルドくんの吸血鬼の自由さをとても愛しているけれど、たとえばそれがロナルドくんには追いつかない場所に行ってしまった時、例えばロナルドくんじゃない相手を選んでしまった時、きっとここに入れてしまう。
    そうしてしまうと、自由なロナルドくんの吸血鬼はいなくなってしまうので、よりによってロナルドくんが吸血鬼の自由を奪ってしまうので、なるべく避けたいと思ってるし、避けられてることを、ああよかったな、とくすんだ銀を前にして思うのだ。
    それから、ちょっと残念だとも。
    ロナルドくんは、本当はロナルドくんの吸血鬼の自由があんまり嬉しくない。どこにもやりたくないし誰にも見せたくない。
    ピカピカの銀の棺に真っ赤なクッションを詰め直して、大事に大事に吸血鬼を納めて、
    そうしたら貸し倉庫ではなくて、予備室のベッドの横に置いて、誰にも見つからないように。
    銀なので、ロナルドくんな吸血鬼は自力では棺から出てこれない。使い魔のジョンには重くてもちあげられない。ロナルドくんが蓋を開けてあげるまで吸血鬼は外に出られない。
    ロナルドくんの吸血鬼はどんな顔をするだろう。どんな顔でもきっとかわいい、とロナルドくんは思って薄く笑う。
    狭い予備室で、世界で2人と1匹だけみたいに過ごす。
    ロナルドくんはロナルドくんの吸血鬼をとても愛しているので、昼も夜も入り浸って吸血鬼を抱き潰してもきっと飽きない。
    怒られても恨まれても泣かれて可哀想な目に合わせても、ロナルドくんはロナルドくんの吸血鬼をきっとかわいいと思ってしまうだろうし、悔いる予定もないので、
    ロナルドくんはそう言う、ロナルドくんの吸血鬼に酷いことをしなくてよかったなと言う気持ちと、ひどいことをできなくて残念だったなと言う気持ちを棺に収めて霞ませて倉庫に閉まっている。

    ロナルドくんはひとつだけ、誰にも内緒の貸し倉庫を持っている。
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    YH1ah

    PROGRESS共依存ドちゃのモノローグ。
    最後まで書くかはわからん。
    独白 ロナルドくんのことを、本当に、すきになってしまった。
     私が好きだと、私が離れて行かないか不安で仕方がないと泣く彼が、馬鹿みたいで、情けなくて、可愛くて、彼が私に飽きるまでの間だけ、安心させてあげようと思って、関係性に名前を付けた。こんなのは一時の気の迷いで、若い彼はいつかちゃんと好きな人を見つけて、その人の元へ行くはずだ。だからそれまでの間だけ、彼が私に恋をしていると勘違いしているその間だけ、彼の腕の中に収まることにした。幸い私も彼のことは嫌いじゃなかったし、一緒にいて楽しいし、できれば彼にも幸福でいてもらいたい。だから今だけ、この恋人ごっこは今だけ、のつもりだったのだけれど。
     気づけば彼に絆されていた。勘違いと呼ぶには熱すぎるあの感情。殴りつけられるような想い。一部の隙もなく愛されて埋め尽くされて愛で窒息しそうになる日々。自由とは程遠い、愛で窒息しそうな日々。自由を愛してやまない筈の私が愛した男は、私から自由を奪った。いや、違う、自ら手放したのだ。彼は別に私を拘束しているわけでも監禁している訳でもない。今私がここにいるのは完全な私の意思。君と一緒にいたい。君を不安にさせたくない。君にはずっと笑っていて欲しい、なんて柄にもないことを真剣に思う。
    917

    kei94

    PROGRESSマリンロドの出会編です。

    いろんな上げ方を試してみてます。tlしつこくなってうるさいわってなってたらすみません:(;゙゚'ω゚'):
    マリンロド、王蛸風味(仮) 一羽のかもめが飛んでいる。
     季節は夏至。空は晴れ渡り、雲ひとつなく。海は鮮やかな日の光を反射して、短い夏を祝うように眩しく煌めいている。
     空と海の境目が溶け合う青空を、一羽のかもめが飛んでいる。風を受け羽ばたき、高く舞い上がる白の一点。
     かもめが飛ぶ先の港には、仲間のかもめが埠頭に並んで待っているのだろうか。それとも赤青黄色、色とりどりの満船飾を掲げた軍船の上を、鳴き交いながら飛び交っているのだろうか。年に一度の今日の夏至祭りを祝うため、軍船でさえも船内にある旗という旗を持ち出して、船首からメインマスト、そして船尾までカラフルな三角の山を描いている。
     大陸の北西に浮かぶこの小さな島国では冬は長く雪と氷に閉ざされる。だから、短い夏の太陽の光と豊かな森と海の恵みに感謝を捧げて大いに祝うのだ。普段は関係者以外立ち入り禁止の海軍の軍港敷地内にも、事前に申し込まれた屋台から魚介類を焼くいい匂いが漂い、甘味をねだる幼児の声が響き、押すな押すなの大賑わい。我が国が誇る最新の軍船とそこに乗る精鋭達を一目見ようと大勢の人が詰めかけている。軍事に興味の薄い者でも、滅多に見られない大きな船の威容を間近に見れば、否応なく感嘆の声を漏らすだろう。
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