告白(君に誓うこと) 彼に思いを告げた時、いったいどんな言葉を使ったのかは覚えてはいない。ただ冷たいエアコンの風や、窓越しに差し込む夏の日差しや、誰もいない理科室に響く水滴や、握った手の熱さだけは今でもきちんと覚えている。
俺がギノに恋をしたのは、多分運命なんだと思う。今まで誰も好きになったことなんてなかったから。誰かに告白されても、全然心は動かなかったから。美しいもの、可愛らしいもの、信頼や、友情のようなもの、それらは全て俺を動かさなかった。そんな尊大な俺を動かしたのは、ギノの涙だった。俺たちが友達だろうと言った時に頬を流れた一筋の涙が、彼を加なしませたのか喜ばせたのか分からないが、あの涙が、俺を変えてしまったのだった。
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