「さすがの俺も無理」
「そこをなんとか!」
「無理なものは無理」
取り付く島がないとはこのことを言うのだろう。千切はちゅーっとストローでアイスティーを啜ると、この話は終わりだと言わんばかりに携帯を弄り始めた。
俺たちの仲だろう!? と訴えたが、絶対に嫌だと却下される。「そもそもレオが同じようなお願いを俺からされたらどうする?」と返されて、確かに断るわ……と頷いた。
「それと同じだって」
「でも、千切は俺にそんなお願いしないだろ」
「まずさ、普通に生きてたらレオみたいな状況に追い込まれることねーの。そもそも許嫁なんていないし、一週間後に彼女連れてこなかったら即婚約! なんて親から言われることもないし」
「だよな……。やっぱり家を潰すしかねーか……」
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