ここイーデン校に入学して、11年生としてスタートし、ひと月が経過した。
学内に植えられた銀杏などの落葉樹が色づき、澄んだ秋晴れの青い空との美しいコントラストが目に眩しいこの日。
「~♪ ~♪」
昼休みを迎えて、アーニャ・フォージャーは、小振りのバッグを携えて、小さくご機嫌に鼻歌を奏でながら構内の銀杏並木を裏庭に向かって歩いていた。
(今週はいいお天気が続いて良かったー)
歩きながら空を見上げる。今週は金曜日である今日まで晴天に恵まれて助かった。
(アーニャさんの日頃の行いが良かったからだな)
雨だと裏庭に行けないし、曇りだと寒いし。ラッキーだったと思う。
ご機嫌な足取りのまま、銀杏並木から小路に逸れて進む。それから程なくして目的の場所に到着した。そこは裏庭の一角にある[[rb:四阿 > ガゼボ]]だった。
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