後悔小さな雨粒が屋根に響く深夜。冷めた熱を求めた手は空を切った。少し前まで愛し合っていたはずの彼はもういない。1人で舞い上がって馬鹿みたいだ。
これまでにも些細な喧嘩は経験してきた。私が彼以外の人間に手を出すことや出されること。どうにかできることをしなかったのは私の方だ。彼は繊細な心を持っている純粋な少年であって、何度も崩れかけた仮面を被っていただけだった。それに気がつく機会は何度もあったはずだ。
言わなければ良いことを、余計な一言を言ってしまった。
「お前も俺以外と関わってみたらいいじゃないか」
外で厄介なことがあったせいで口調も荒くなり、彼の目を見て言わなかった。その後の彼の顔にはほとんど形のない仮面が辛うじて張り付いていたが、私には何も言えなかった。
雫を浮かべたふたつの宝石は輝きを失い、感情が失われたかのようだった。せめてあの時手を掴んでいれば。声を掛けていれば。
だがそれももう遅い。
お前がいない。その事実は鉛のように重く重く伸し掛かっている。
あの子には恐らく私しか居なかったのだ。少しの勇気をだして話しかけてくれた、感情を伝えてくれた。それに応える唯一の存在に裏切られた彼はもう私の元に帰ってこないのだろう。心の底から愛していただとか、お前がいなくては駄目だとか、あの子にははっきりと伝えるべきだった。
言わなくても伝わるという考えは甘えでしか無かった。
I love you.Mysta.
ただ傍に居てくれたらそれだけで良かった。
届かぬ声は虚空へと飛んだ。
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はぴえん大好きなのでこの後は想像に任せます。
帰ってきたMystaに謝罪をして1人しか愛さなくなるVox。
Shuに甘えて兄弟のように幸せになるMysta.
Lucaと過ごして楽しさだけを感じるMysta.
Ikeと話して乗り越え、成長するMysta.
わたしは1番最初が好きです。