オセロゲーム③ この時期にしては少し汗ばむ陽気で、朝の天気予報でも4月のあたたかさと言っていた。やわらかな陽射しが、まるで祝福するように生徒らを照らしている。昼下がりの銀魂高校。今日は卒業式で、校舎脇には胸元に淡い黄色のローズコサージュを携えた生徒らが溢れているた。下級生から花束を渡される者、目元をハンカチで押さえ別れを惜しむ者、友人らと肩を叩き合って笑っている者。式典を終えた生徒らは、各々、最後の学校生活を名残り惜しんでいる。
そんな中、土方は国語準備室へと廊下を急いでいた。今日は、銀八へ最後の告白をするつもりだ。
約束はしていないが、土方には、銀八が準備室で待っているという確信めいたものがある。宣言した日から今日まで、土方が自ら準備室へ行く事はなかった。銀八も特に接し方が変わる事はなく、ただ用事を頼まれる時は必ず職員室で、というのが徹底された。
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