二匹のケダモノ「なぁ、ほんまに兄弟は俺に抱かれる側でえぇんか?」
真島と冴島が何週間ぶりに身体を重ね合わせた夜のこと、ベッドで上半身を起こしている上裸に下着姿の真島が不意に隣で横になって休んでいる同じく下着一枚の冴島に尋ねてきた。
「突然、何を言い出すかと思えば…、そんなん今更やろ。あほらし」
どうでもいいと言わんばかりの素っ気ない態度で、あっさりと冴島は返した。
「おい、それなりに肝心なことちゃうか?これ」
「別にどっちでもえぇよ、そんなんは」
「そんなんはって、…なんやねん、それなりに考えとった俺が馬鹿みたいやないか」
「考えてた」とは何を。と、のっそりと上半身を起こした冴島はベッドサイドにある小さめの棚の上に置かれた真島が事前に用意してくれていた500mlのペットボトルに入ったミネラルウォーターを手に取り、蓋を開けながら真島の先程の言葉の意味について考えを巡らせた。
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