雷鳴と、帰路地下には、身を隠せる場所には、
直接は降りしきる雨も、掻きむしるように鳴り響く雷も関係無い。
二轍を突破し、休日前にギリギリ三轍を見事回避したサブウェイマスターの二人は、日付が変わる少し前ではあったが、久々に外の空気はちゃんと吸った。
そしてギアステーションの出入り口から、荒れ狂う空を二人とも眺めて呆然としていた。
その光景ときたら、強風が轟き、雨は激しく撃ちつけていて、決して穏やかな物では無かった。
うん、完全にアウトだわ、これ。
「あーーすごく降ってるね…」
あまりの光景に、他人事の様な感想が出た。
でも大丈夫大丈夫。いつも鞄の中には折り畳み傘が………うん、何でか無いね。
横にいるノボリを見ると、僕と全く同じ動作をしている。………うん、君も無いね。
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