よくできましたシール 小学六年生の時にシール集めがクラスで流行った。例に漏れず私もハマって、ラメが入った手触りのザラザラしたものやぷくぷくと柔らかいもの、タイルみたいに硬いもの等色んな種類を持っていた。昼休みには友達と手持ちのシールを広げて見せあったり、交換したりして楽しんだ。
集めたシールの使い道はそれだけではなくて、近所に住んでいた2コ下の男の子が何か“いいこと”をするたびに「よく出来ました」と言ってシールをあげた。男の子、圭介は私によく懐いてくれていて、一人っ子だった私も本当の弟のように可愛がっていた。
「おーい■■ー」
「あっ圭介! 今帰り?」
「おー」
中学生になった私たちの関係は、あの頃と何も変わらない。同じ学校に上がった圭介は、学校でも通学路でも私を見掛けるたびに声をかけてくれた。
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