ナナエマざかざか(未完)「あ〜…………」
――疲れた。
重力に身を任せて割合勢い良く座り込めば、流石のソファもぎし、と抗議の声を上げた。
「はいはい、ごめんね」
口では謝りつつも特に体勢を変えもせず、ナナシはなんとはなしに天井を見上げた。
奪い師と連盟会長。そこそこハードな役職の兼任は体力と気力を奪っていく。そうして失われていくそれらに、人々は折り合いをつけて同時に充填を図るが、時に間に合わないこともある。それはナナシであっても当然例外ではない。
まだまだ仕事は山積みで、頭の片隅で冷静な自分が今から手をつけないと不味い、と警告しているが、それも右から左へと流れていく。今のナナシは体力も気力も空っぽだ。脳から指令を出されてもそれをこなす資本がない。
1929