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    きらず

    @L0Yid6

    筆が遅い

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    きらず

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    ネタ供養ツイステ編。エー監とクル監。
    マジでほんとに供養なので(?)自分へのメモ書きなど本当にそのままです。

    くよ〜う Twst編
    フェアリーガラ終了直後の監督生「先生のセンスに感動しました!弟子入りさせてください!」
    クルーウェル先生「この俺に教えを乞うとはなかなか見どころがあるな仔犬!」



    翌朝冷静になった監督生「時を巻き戻したい」
    他人事のエース「うーわ(笑)」
    ドン引きデュース「監督生……(沈痛な面持ち)」
    他人事のグリム「オレ様絶対にイヤだゾ!付き合わないからな!」知〜〜らない!

    「何をどうしたらそんなナンセンスなコーディネイトになるんだ!やり直し!」
    「とんだバッドガールだな。服の悲鳴が聞こえてきそうだ」
    「バッドにバッドを掛け合わせるとどうなるかわかるか?そうだな、ベリーバッドだ。一からやり直せこの駄犬」
    (普段監督生くらいの年頃の女の子のコーデなんかせんから案外楽しんでいるクルーウェル先生)

    「……ふむ。ようやく及第点、と言ったところか」
    「えっ!!」
    「喜ぶのにはまだ早い。あくまで及第点と言ったんだ。ここで気を抜かずさらにトレーニングに励めよ仔犬。俺の仔犬なら出来るだろう?」

    「グッガール!やるじゃないか」
    「初めはすぐに音を上げるかと思ったが、なかなかどうして食らいついてきたな。俺の仔犬はこうでなくては」
    「テストがてら、ファッションショーの一つや二つ出場したらどうだ?俺にアテがある」←アテ(開催させる)
    「そんな、恐れ多すぎますよ。それに先生にそこまで言っていただけるなんて。これだけで充分すぎます」
    「……………」

    「なんでこんなことに?先生、あの時(めちゃくちゃ不服そうな顔してたけど)普通に引き下がってくれたのに!」
    「…起こったことは仕方ない。今できる全力を出そう。クルーウェル先生の顔に泥を塗らないためにも!」
    監督生は肝の据わり方が天下一品だと思っているオタクだぜオレは
    いや善人すぎるな……と冷静になった。
    「どうするのこれ……どうにかして回避する方法……」「無かった……」
    「あら?アナタ、パートナーは?」
    「え?」
    「え?じゃないわよ。一緒に出場したパートナーがいるでしょう?エスコート役として」「このショーのホストがどうしてもってね」
    「(何も聞いてない)」
    (今更誰か呼ぶにも間に合わない。何とか1人で──)
    (あれは……)

    「立派な毛並みになったな。俺の仔犬」
    「先生……」
    ランウェイの真ん中で見つめ合う二人、ドラマチックで良くない?(誰?)
    「お利口さんにはご褒美を与えねば。そうだろう?」なあ?の方がいい?

    〜あれから数年後〜
    「今となっては何もかも良い思い出です」
    「ふむ。『今となっては』とは、一体どういう意味だ?」
    「ははは嫌ですね先生、言葉の綾じゃないですか」

    「……まだ帰りたいのか?お前は」
    「…デイヴィスさんの方が仔犬みたいな顔してますよ」
    「…この俺に、言うに事欠いて仔犬とは……貴様……」or「ほう?まさか今になって無駄吠えが始まるとは、躾が必要か?」「必要ないです冗談です」こっちかなあ……使うなら……

    「キスしても?」
    「…今更そんなこと聞かないでください」
    「仔犬は言うことを聞かせるものだが、恋人は言うことを聞いてやるものだ。(恋人の意思は尊重しなくてはな。)それで?お返事は、ミス?レディ?」
    手にキスしながら目を合わせてくる。エグ
    「……キスしてください」
    「仰せのままに」


    という話、どう?(?)



    ☆えーかんで助かりたい(議題)と思ったけど普通にわちゃわちゃになったな


    「改めて、本当にありがとう」
    デュースにも声をかけたかったけど、向こうでカリム達の踊りに付き合わされているようだから、とりあえず隣に座っているエースの方へ向き直った。
    「だーから、別にいいってば。暇潰しにきただけなんだから」
    なんでもないような顔をして大皿からパスタを取っていくエースに、くすりと笑いがこぼれる。
    ただの暇つぶしでホリデー休暇に学園に戻って来るなんて、普通はしないだろう。
    そもそもこれだけ魔法が発達した世界で、わざわざ公共交通機関を乗り継いでまで戻ってきたのだと自分で言っていたのに。
    何事も要領良く、アツくなったりムキになったりはパスだ、なんて日頃嘯いているけれど、実際は器用そうに見えて不器用なところがあると言うか。本当に素直じゃない。
    「………んだよ」
    こちらが笑った理由に察しがついているのだろう。じとりとこちらを睨んでくるエースに、さらに笑みが浮かんでしまうのを止められない。
    「いや?良い友人達を持って幸せだなー、って」
    「はぁ〜〜〜??ったくさぁ……お前ってホント能天気だよなー。……オレらがどれだけ…」
    「…どれだけ?」
    「……なんでもない。ハイこの話終わり!それより、早く食わねえとなくなるんじゃない?後で腹減ったっつっても知らねーかんな」
    それ以降エースは口を閉ざしてしまったけど、オレンジの髪から覗く耳は真っ赤だ。
    「からかった訳じゃないんだよ。本当にそう思ったの。こっちの世界に来て、今じゃ話す人もそれなりに増えたけど、仲の良い友だちって言ったらやっぱりエースとデュースの二人だから。あとグリムも」
    スカラビア寮に監禁された時にも、連絡する相手と言ったらこの二人だった。休暇中だし、そもそも二人が私をどう思ってるかわからないけど、と思いながらも他にアテも無かったのだ。
    「だから、二人が急いで来てくれて本当に嬉しかったんだよ」
    話しながら先程の焦って駆けつけてくれた二人を思い出して、ついニコニコしてしまった。あ、このピザ美味しいな。
    と、隣から「はぁ〜〜〜〜っ」と特大の溜め息が聞こえてきて思わず顔を向ければ、エースが顔を片手で覆っている。
    「お前ってほんとさあ……ほんと……マジでなんなの?」
    「え?何が?」
    「そういうところだっつーの!!!」
    さっぱり意味がわからない。エースの急な大声に思わず首を傾げたところで、まさに満身創痍といった様子のデュースがやってきた。
    「ハァ、ハァ……。やっと逃げられた……」
    「おかえり。もっとかかるかと思った」
    「もっとかかっていたら逃げ出す前に俺が倒れる……」
    心底げんなりして呟いたデュースは、どうやらこちらが目を離した隙に散々な目にあったらしい。
    まあ今あそこを見ただけでもブレイクダンス対決っぽいものをしてるから、なかなかの無茶ぶりをされたのだろう。ご愁傷さま、というやつだ。
    「というかエース、なんでお前も疲れてるんだ。お前はここでユウと一緒に飯を食ってただけだろう」
    「そのユウが問題なの。わかるでしょ」
    「……ああ、なんとなく」
    「えっわかるの?わかんないの私だけ?」
    疎外感がすごい。というか私の問題って何なんだ。
    「お前も後で喰らうと思うし、せいぜい腹括っとけば」
    「そうか……」
    「そんなに深刻なの?というか私何をしちゃったの??」
    「お前は気にしなくていい。というより気にしてもムダだと思うから」
    「そこまで言われると逆に気になるんだけど…」

    ちなみにこの後、エースへのあれこれと同様にデュースへさらりと感謝を述べるユウと、それに対して神妙な顔をしたデュースという珍事が発生するのだが、それはまだ誰も知らないことである。





    ──わからない。
    おもむろにペン先が止まる。同時にカリカリと紙が擦れる音も止まった。
    ふう、と溜め息が零れる。
    気づけば机の上には開かれた本が、何冊も乱雑に散らばっていて、改めて気が遠くなりかけるのをぐっと堪えた。
    今日はエーデュースの二人はおろか、グリムとも一緒ではない。私と違ってグリムは一夜漬けタイプだからだ。
    そう、ナイトレイブンカレッジはただいま絶賛試験前なのである。
    皆と違って魔法が使えない私は、例えば飛行術の時間はランニング、といったように魔法を必須とする授業の際は特殊課題が課せられている。といってもそれは当然、一部の授業に限った話だ。
    魔法史のように、別に魔法が使えなくとも受けられる授業は皆と同じように受けている訳で。今私が必死に勉強している科目──錬金術だって例外ではない。
    正直、錬金術は苦手だ。魔法史は元の世界の授業と習う内容が違うだけだし、他の座学も基本的には同様だ。でも錬金術は今までの経験が物を言う。感覚に頼る所も多いようで、私にはそれがさっぱりないものだから、ただでさえこの世界のものは全て勉強しなければならないのに、他の教科よりも更に勉強してやっと授業に追いつけるくらいだ。
    加えてこれは私にとって悲劇と言ってもいいくらいだけれど、どうやら錬金術はナイトレイブンカレッジに入学する前にも学習する機会があるらしい。そして此処は、皆のキャラの濃さに日頃忘れがちではあるものの、腐っても由緒正しき名門校。だから私の世界で言う公式のような、Aの材料とBの材料を組み合わせてCが出来る、といった知識は皆が当たり前に持っている。
    つまり、その辺は授業でも説明を省かれることが多々あるのだ。
    といってもクルーウェル先生もこちらの事情を知っているので気にかけてくれているのか、こちらが質問すると他の生徒よりも比較的丁寧に教えてくれる。
    確かにそれ自体は非常に有り難いし、先生の教え方はとてもわかりやすいので助かっている。
    しかしそれは裏を返せば、限られた授業時間の中で私一人に使う時間が多くなってしまっている、ということでもある。
    毎時間の質問、そして酷い時にはほぼ付きっきりと言っていいくらいの状態が続くのは流石に申し訳なさが先に立つ。いくら此処が名門校で、周囲が所謂エリートだとしても、だ。
    別に雑談をしている訳では無いけれど、話し声というのは案外気になるものだ。集中力を要されるこの授業では迷惑を被っている人もいるだろう。
    そんな事情もあり、良い機会だから今回のテストこそ良い点を取って先生を安心させよう、同時に周囲へ迷惑をかけないよう頑張ろう!と張り切って机に向かったはいいものの。
    日頃苦手にしているものがそう一気に理解出来るなんてことがあるはずもなく、少し進んでは授業ノートとのにらめっこが始まってしまう。
    そんな調子なものだから、あまり芳しくない進みとは裏腹に時間は駆けるように過ぎていき。

    もう一度問題に目を通してみたが、これは多分アレだ。一人ではどうにもならない類のアレだ。
    気づけば窓の外はすっかり暗くなっている。流れた時間を実感すると共に、それまで隠れていた疲労がどっと押し寄せて来た。
    (今日はもう帰ろう)
    テスト勉強も大事だけど、明日も明後日も授業はある。それらを疎かには出来ない。というか授業中に居眠りなんかしたら、これは思い出すのはやめよう。とにかくあんな目には遭いたくない。
    明日登校ついでに誰かに聞こう。リドル先輩辺りならわかりやすく教えてくれるはずだ。
    先輩が忙しくなければいいな、と既に他力本願になりながら、とりあえず本の貸出手続きをしようと席を立った。




    手続きと片付けを済ませて、図書室を出たまでは良かったものの。
    (これは想定外だった)
    思った以上に冊数が多くなってしまい、仕方なしに抱えたが殊のほか視線を遮られてしまっている。
    かといってこれ以外に持って帰りようがないのでこのまま歩いているけれど、もし急に人が出てきでもしたらちょっと、いやかなり困る。
    怪我をさせるかもしれないのはもちろんだけれど、そうでなくても本をばら撒く確率が高い。それは避けたい。安定したバランスで平積みするのもなかなか難しいのだ。
    まあ時間も時間なのでそう人もいないのが救いだ。あくまで慎重に、かつスピーディーに帰ろう。
    と意気込んで角を曲がって──ぬうっと大きな人影が目に飛び込んできた。
    「うわっ」
    「おっと」
    ばらばらと本の山が瓦解する。
    「ご…ごめんなさい!」
    慌てて散乱したそれらを集めようとしゃがみこんで、いやいやそれよりも怪我してるかもしれない。
    「あのっ、怪我は──」
    焦って顔を上げると、目の前の人物は大きな身体を折り曲げている所だった。
    「ほう、『実践の為の錬金術』か。仔犬にしてはなかなかに良い選択だ」
    落とした一冊を手に取り、こちらに差し出してくれたその人──クルーウェル先生は、そう言って薄く笑みを浮かべた。
    「クルーウェル先生!奇遇ですね。こんな時間までお仕事ですか?遅くまでお疲れ様です」
    「それはこちらのセリフだ。仔犬は寮(ルビ:ケージ)に戻る時間だろう。とは言っても…概ね来週のテストに向けてトレーニングを重ねていた、といった所だろうが」
    「……まだまだ向上の余地大いにあり、ですけどね」
    我ながら苦い笑みになった自覚はあるけれど、先生はそんな私に「躾が行き届いているようで何よりだ」と満足気に笑ってから、だが、と一転咎めるような目付きになる。
    「仔犬の独り歩きは感心しないな。特にお前は」
    すらりと長い人差し指が、私の額をとんと小突く。
    「仔犬の中でも特に非力だろう。その辺も躾けてやる必要があるか?」
    再びとん、と軽い衝撃。なんだかこれでは本当に仔犬みたいだな、と少し可笑しくなってくる。
    生まれてまもない仔犬の、黒い鼻の頭をツンとするような、そんな感覚だ。
    「そんな、先生の考え過ぎですよ。みんな同性の友達みたいに接してくれるので」
    普通に答えたつもりだったけれど、先生は何故か黙ってこちらをまじまじと見つめてきて、思わず首を傾げる。そんなに変なことを言っただろうか。
    それよりもぶつかった挙句、先生の都合も考えずここで話し込んでしまったことに今気づいた。
    同時に、想定外の出来事で引っ込んでいた試験への焦りが再び顔を出す。
    「あの、こんな所でお引き留めしてしまって重ね重ねごめんなさい。先生にも言われたことですし、大人しく寮に戻ります。おやすみなさい」
    これ以上時間を使わせては先生にも迷惑だし、そもそも明日も授業はある。さっさと寮に帰って寝よう。と言っても、もう少し復習してからになるけど。
    頭を下げて、くるりと背を向ける。
    帰ってからまずお風呂に入って着替えて、何処まで復習しよう。それから──。
    「待て(ルビ:ステイ)」
    瞬間、ぴしりと身体が固まる。
    授業中と全く同じトーンで言われて反射的に立ち止まってしまったけれど、これはクルーウェル先生の授業を受けた人なら皆そうなるのだ。本当に。いや、コレは誰に向けての言い訳なんだろう?
    「グッガール。従順な仔犬は躾け甲斐もあるというもの。実に俺好みで結構なことだ」

    謎の弁解をする私の背に、機嫌良い(声の描写?
    声が投げられる。

    コツコツとヒールが床を叩く音が、こちらへ近付いてくるのがわかった。
    そろりと振り向けばあら不思議、離れたはずの端正な顔が先程と同じ位置にある。
    やっぱり気付かないうちに何かやっちゃったのかな、と戸惑いを隠せない私にニヤリと笑って、クルーウェル先生は言った。
    「そんなお利口さんには、ご褒美を与えなければな。


    そうだな……ではこの俺が直々に、お前を躾けてやるとしよう」
    「……は」
    あまりにも急な展開に頭がついて行かず、口から何とも間抜けな音が出た。
    「え、でも……御迷惑じゃ、ありません、か?」
    なんで急に、とかそれは先生に利益が何も無いはずでは、とかいやむしろこの後何か要求されるのでは、とか種類はどうあれもっと気にすべき所がいくつもあったはずなのに、動揺しすぎた私の口から出たのは、カタコトながらも素直に提案を受け入れる言葉だった。
    「迷惑ならわざわざ言い出しやしない。仔犬どもを一人前に躾けるのが俺の仕事だが、それはあくまで職務のみの話。それ以外の時間は俺の好きに使う。それに──」
    私のカタコト応対へ流暢に対応した先生は、そこで一旦言葉を切って、何処と無く満足そうにふっと笑った。
    「俺は、自らトレーニングに励む健気な仔犬は可愛がってやる主義でな。それで?知っているとは思うが、俺はやるからには手は抜かんぞ」
    やるからには手は抜かない

    願ってもない申し出だ。他の教科ももちろん勉強しなければいけないけれど、クルーウェル先生直々に教えて貰える機会なんて──まあ教えるというよりしごきにしごかれる、と言った方が正しいだろうが──百年に一度、いや千年に一度あるかないかの奇跡。何としても逃すわけにはいかない。ついでにテスト範囲とかぽろりと喋ってくれたりしないかな、という下心も正直ある。先生に限って絶対ないと思うけど。期待するのは自由だから許して欲しい。
    「先生さえ良ければ是非お願いします!!」
    そんな諸々の思いと共に、私は勢いよく頭を下げた。
    「よろしい。いいお返事だ。千切れんばかりのしっぽが見えそうなくらいにな」
    そこへ上から満足げな声が降ってくる。

    笑われるくらい が少し恥ずかしいけど、大いに助かったのは事実だし、それよりもずっと嬉しさの方が勝る。まさに先生は救世主と言っていい。
    「本当にありがとうございます先生!」

    「ステイだ仔犬。気を抜くにはまだ早い。しかし、もう一度言うが今日はもう遅い。明日の放課後はどうだ?」
    先生に一も二もなく頷いて、「明日はよろしくお願いします」と頭を深く下げると、そこへぽすりと軽い衝撃がくる。
    思わず顔を上げれば、こちらを見下ろす先生とぱちんと目が合った。
    目元にだけ笑みを乗せて、先生は言った。
    「いいか、音を上げる事は許さない。…この俺により相応しくなれるよう努める事だ。仔犬」
    今夜は精々、ケージでよく休むことだな。


    「」




    次の日の放課後。
    私は実験室の前にいた。
    ドアの前で深呼吸を一つ。よし。……いやもう一回だけ深呼吸しとこう。やっぱりもう一回。
    ……よし今度こそ入る。絶対。…………。
    「入るのか入らないのかどっちだ」
    「ひょわ」
    ぎぎ、と油の切れたロボットの如く振り返ると、そこには端正な顔全体へ呆れをまぶしたクルーウェル先生がいる。
    「一向に入らないので何をしているかと思えば…。そこまで緊張することでも無いだろうに」
    「お願いしておいてなんですが、マンツーマンって緊張するタイプなんですよ……って先生、『一向に入らない』ってあの、もしかして見て……っいつから」
    「さてな」
    私の横をさっと通り抜けて部屋に入って行く先生の後に慌てて続く。
    人がいない実験室は、いつもと違ってかなり広く感じる。
    思わず辺りをきょろきょろ見渡していると

    「ああ、そうだ」
    「他の仔犬どもにはくれぐれも内密に」
    「」


    「ふむ…。そうだな。それなら俺に考えがある」

    「今日は特別に、〜躾てやろう」
    「はあ?こんな面倒極まりない事早々やる訳がないだろう」


    「さあ仔犬ども、行儀良くおすわりしろ。今日はまず、テスト返却から始める」
    いよいよだ。
    テスト返しというのは、結果がどうあれそれなりに緊張してしまうものだが、かつてここまでの緊迫感を伴ったことがあっただろうか。いやない。
    クルーウェル先生直々にあれだけ厳しくしごかれ、もとい御教授いただいたのだから大丈夫だとは思うけれど、けれど。

    ──名前を呼ばれる。
    勢い良く立ち上がってしまい、がたんと机が大きな音を立てた。「おーおー、張り切ってんねー」と隣のエースがにやにや笑うのにも、今は返す余裕が無い。兎にも角にも、結果を見てからだ。
    教壇の方へ早足で向かう。


    「言っただろう?"お利口さんにはご褒美を与えなければ"、と」


    一人で考えても駄目だ、詰まったな〜。とりあえず本は借りて行こう……。
    思った以上に大量になってしまい少し前が見えにくい、角から人!本が散らばる!(王道)「ご、ごめんなさい!」「おっと……。ほう、勤勉だな仔犬。躾が行き届いているようで何よりだ」
    「ふむ…。そうだな。それなら俺に考えがある」
    「本当ですか!」
    「ああ。ついてこい」

    「今日は特別に、〜躾てやろう」
    「え、でも……御迷惑じゃありませんか?」
    「迷惑も何も、仔犬どもを一人前に躾るのが俺の仕事だ。それに俺は、自らトレーニングに励む仔犬は可愛がってやる主義でな」
    もう少し高圧的でも良くね?なんかいいひと過ぎるよ ヴィランだぞ と思いつつ先生たち結構褒めてくれるんよな……ナニモワカラナイ……


    クルーウェル先生「野良の仔犬かわいそぉ(><)そだてなきゃ(><)」

    エ"ッッ「Who's a good girlYes,you are」って言われてェ〜〜〜(大の字)

    「お利口さんにはご褒美を与えなければ。厳しく躾けてやるのも勿論だが、上手く出来た時には褒めてやることも仔犬を上手く躾けるコツだ」




    ↑これテスト返却後のが良くね????(そりゃそう)

    クルーウェル先生に補習付き合ってもらいた〜〜いな(結論)という話です

    クルーウェル先生ってお前って言うの!?なんもわからんが!?




    ☆男装監督生(出た!)とエースの話。
    カノジョがいるいないの話になって監督生の目の前でこれみよがしに褒めまくるエースくんはいます!(幻覚です)
    「好きなとこ?そりゃカワイイとこ」
    「バーカ、別に見た目に限った話じゃないよ」



    ナイトレイブンカレッジ。闇の鏡に選ばれし者のみが入学を許される、言わずと知れた名門中の名門。
    各地のエリートが集められたこの孤島で、日々ハイレベルな教育を受ける彼等もしかし、同世代と同じ悩みを持つこともままあるわけで。
    「あーー……彼女欲しいよな」
    何処に行ってもティーンエイジャーの悩みというのは変わらないのだな、とまるで他人事のように監督生は思った。
    「なに急に」
    「いやさ、最近他校のダチから急に写真送られてきてさ。わざわざ言ってくるか?フツー」
    「とか言ってお前もできたら俺達にこれ見よがしに言ってきそうだけどな」
    「はぁ!?そんなの言うに決まってんだろ!!それはもう、高らかにな……!」
    それは彼女が可哀想だからやめてあげた方がいいのでは?と思いつつ、薮蛇が恐ろしいので監督生は無言で頷くに留めた。
    ナイトレイブンカレッジは名門中の名門だが、もし生徒たちに何か不満があるかと問うたなら、恐らく大多数の生徒はこう答えるだろう──『男子校であること』と。
    そう、男子校なのだ。加えてここは交通の便が限りなく悪い。というか最悪と言っていい。つまり、女子との出会いが皆無なのである。
    思春期男子と異性との出会いほぼゼロを掛け合わせると何が起こるか。──答えは、強烈な『彼女』マウントの成立である。共学と比較して、『彼女』がいるというステータスの価値は、上記の背景が加わり、ここでは飛躍的な向上を遂げている。
    そろそろ何を言っているかわからなくなってきたが、とどのつまり、『彼女が欲しい』という話題は、着地点が見えているにも関わらず頻繁に学生たちの会話に登場するのだった。他と比べようがないものだからなんとも言えないが、それはもう頻繁に。
    「」
    そこまで欲しいものなのか、と再び他人事のように白熱する『理想の恋人』談義を眺めながら予習を進める監督生は、


    「へー?にしてもエースがそこまで言うなんてなんか意外だな」
    「ハハッ!そうかも。でもさ〜、なんてったってこのエースくんのカノジョだよ?可愛いに決まってんじゃん」
    「そこまで言うなら見せてみろって」
    「ヤダね。見せたら減るもん」
    「気の所為気の所為」
    「気の所為じゃない!オレのカノジョは減るんですぅ〜〜〜」

    「あっ!でもぉ、一人だけ知ってるヤツがいるかも〜?な、監・督・生」
    「は」
    「!!!!」
    エースの一言で皆が一斉にこちらを向く。

    かこまれる?でもエースは阻止するよな
    おーっと監督生取り囲むのはナシね。オレ、監督生が絶対喋んないように弱み握ってっから。だからお前らが聞けるのはオレのカノジョに対するこいつの感想だけ。

    で、どうだった?オレのカノジョ。

    じとりと睨みつけても何処吹く風のエースと、羨望半分関心半分でこっちを見ている友人たち。
    これどうしたらいいんだ。

    「えっ…と、その、あんまりよく見た訳じゃないから……」
    「でも見た目はわかるだろ!?見た目は!」
    「どんな子!?髪型は!?ロング!?ショート!?」
    「いや、ほんとに一瞬で……」
    「えー?そんな事なかったよ。割と見る時間あったと思うけどなあ?」
    エースが意地悪く茶々を入れ、監督生は覚えてろこの野郎、と思いつつ次の退路を内心大焦りで考える。

    「ええっと……可もなく不可もなく……というか……」
    「ハァ!?失礼じゃね!?オレのカノジョなんだからカワイイに決まってんでしょ。喧嘩売ってる?」
    「じゃあ俺らにも見せてくれって、判断してやるから!」
    「それは絶対に嫌だ」
    「なんでだよ!!!不公平だ!!!」

    可愛くないも角が立つし可愛いは自意識過剰で窮地!


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