花束を君に「人気投票7位、おめでとう!」
「おめでとうございます!」
チャンドラに連れられて部屋に入った瞬間、鳴り響いたクラッカーの音と、大勢の人の声。
急なことに驚き、ノイマンは一瞬目を閉じた。
「びっくりしました?」
隣からチャンドラの笑い声がする。目を閉じてもわかる位置にある頭に手を伸ばし、触れた髪をぐしゃぐしゃにしてやった。
「ちょ、何するんですか!?」
チャンドラが抗議の声を上げるが、ノイマンがそちらを向く前に懐かしい顔が目の前まで来ていた。
「ノイマンさん、7位おめでとうございます」
「おめでとうございます! さすがノイマンさんですね。俺達も鼻が高いです」
パルとトノムラだった。
「チャンドラ、ノイマンさんに説明したの?」
「してない。したら絶対来ないだろ」
乱れた髪を直しながら入ってきたチャンドラが口を尖らせる。
「それもそうだ」
「納得するな」
「しないなんて無理ですよ」
トノムラが苦笑する。
「ということで、俺達からプレゼントです」
「花?」
パルから手渡された花と、トノムラから貰った花と、色も種類も違っていた。しかも花束ではなく一輪をそのまま渡される。
「さ、ノイマンさんを待ってる人がまだまだいますよ」
「それじゃ、俺達はこれで。また今度飯行きましょうね!」
渡すだけ渡して、二人が部屋を出ていく。
「それ、パルのはサルビア、トノムラのは勿忘草です。じゃ、次の方どうぞ~」
チャンドラが部屋にいる皆に声を掛ける。ノイマンは慌ててチャンドラの肩を掴んだ。
「おい、チャンドラ」
「もういい加減に諦めて、皆から祝われてくださいよ。ほら」
チャンドラの声を合図に、次の人物から声を掛けられた。
「そうだぞ、ノイマン。俺より順位が上のくせに、往生際が悪いったらないな」
「ふふ、私の隣がいいって下りてきた人がいう台詞ではないんじゃないかしら?」