神さまのこどもたち 夜は窓ガラスの向こうにある。
ベッドがふたつと窓辺にデスクがあるきりの、無機質な部屋は蛍光灯のあかりの下しらじらとしていた。空調は暖かくもなく寒くもなく、どこか乾いて清潔な匂いがする。
ホテルの一室だった。
エデンの四人で観光地案内をと、急遽はいった遠方の仕事だった。そのため手配が追いつかなかったらしい、駅前のビジネスホテルにようやく二部屋を確保したのがつい先ほどのこと、閣下と殿下におかれましてはいまひとたびのご辛抱をと茨はしきりに恐縮していた。
日和とジュンは隣の部屋にいて、すでに寝入っているのかもの音ひとつしない。
五時間以上のロケをこなしたうえに、お風呂が箱みたいだとかベッドに手足がおさまらないだとか、日和いわくの「発見」をするたびこちらに報告をしにきていたから、さすがに疲れたのかもしれなかった。
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