フロムゲーっぽいかもしれない十傑な勝デク魔術が魔法陣の力を上回った者の末路はどんな人種であれ悲惨だ。固有性質魔法に呑まれた魔人の方が幸せなのかもしれない。術として呼び出した精神体が、ドラゴンを魔として血に宿す人を乗っ取らんとした結果、理性も知性もあるか判らないワームとなるのだから。その惨たらしさを終わらせてやれるのが、竜人族の血によって正しくドラゴンへと肉体が変化する者というのは皮肉な話である。
けれど時々は羨ましく思う。
竜人族にとって竜葬は、唯一として契りを結んだ者の血肉と成り得るのだから。
「だがクソデクに喰われるのもテメーがどこぞのモブに喰われるのも腹立つ」
「いや、僕は確かにかっちゃんのドラゴンだけど厳密には違うし、そもそも伝承通りなら───の死肉を食べれば身体を乗っ取られ、あれ?」
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