検索:手加減「ファルガー」
「……」
「ファンガス」
「……」
「……ふーふーちゃん。」
「その呼び方はやめろ。」
麗らかな朝、
着古したスウェットと寝起きの髪の毛のまま、自分の背中に纏わりついているのが最強の鬼なんて誰が思うだろうか。
自分専用のコップと歯ブラシを取りながら、正面にある洗面台の鏡を見れば、生肌に見慣れた赤いシャツを羽織っただけの自分がいて思わず舌を鳴らす。
全く人のことが言えなかった。
「……なぁ、本当に行かないのか。」
「行かないって言ってるだろ。そもそも誰のせいだと思ってるんだ。あ?」
そう、本来は今日は外出する予定だったのだ。久しぶりの何も無い2人揃っての休み。
しかしそれが仇になった。
『おい、明日出かけるんだろ。』
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