ロランス隊の怪談「怪談をしよう!」という提案は例年になく暑さが続いているある夏の夜に
アメリーから飛び出した。
ユーゴは以前リゼットから聞いた海岸沿いの村に伝わる少女の怪を語った。
夜な夜な海岸に謎の少女が現れ
翌朝の海岸には犠牲者の着衣のみが残されるという
怪異は少しずつ趣を変えつつも昔からの言い伝えではあるらしい。
レオとともに聞いた際にはそれなりに背筋が涼しくなった話だった。
ところが語っている最中からどうにもファルクの様子がおかしい。
まるで百面相のように表情をクルクル変えたかと思うと、頭をガシガシ掻きながら
「あー、その話かよ。幽霊ならもういねえぞ」ときっぱりと否定してきた。
昔、孤児院から脱走した時、
路銀が心もとなくなった際に、酒場帰りの酔っぱらいをターゲットに
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