ルームシェアお子様コンビ 盛大に腹がなる音とともにロヴィーノは目をさました。ロヴィーノの腹時計はいつだって正確だ。スマホのアラーム程度では起きないロヴィーノでも空腹にあらがうことはできない。
「……飯、作るか」
隣で心地良さそうに寝ているアルフレッドをよけながら寝室を出る。
ロヴィーノは朝から食欲がある方ではない。せいぜいエスプレッソを飲みパンを一つ食べれば満足するのだが、同居人のアルフレッドは時間に関わらず食欲旺盛で毎日朝食もがっつりと食べている。このルームシェアにおける料理の担当はロヴィーノである……というかアルフレッドに任せておいたらとんでもないことになると容易に想像がつくためロヴィーノが料理をしている。つまり、アルフレッドが食べる大量の食事はロヴィーノが作っている、ということだ。まあ、手間だと思うこともあるが、料理は数少ないロヴィーノの特技であるし、なによりアルフレッドは自分の作った料理をうまいと言って食べるため悪い気はしない。
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