誕生日爆轟ss※爆轟 付き合ってる
雄英高校の寮の共有スペースではさきほどまで轟の誕生日会が行われていた。
夕方から行われた誕生日会は次の日が休みのこともあり遅くまで続いたが、委員長である飯田の言葉により片付けが始まり一人、また一人と自室に帰っていった。
轟は自分の誕生日をこんなにも祝われたことを嬉しく思い共有スペースに残りしばらく余韻に浸っていた。
「まだ寝ねぇんか」
「爆豪」
声をかけられ振り返れば風呂上がりの爆豪がいた。
「みんなが誕生日祝ってくれたのが嬉しくて…なんか眠れねぇんだ。爆豪もありがとうな祝ってくれて」
普段、皆で行うパーティーには参加しない爆豪が最初から最後までいてくれたことを嬉しく思った轟は爆豪に素直に伝えた。
爆豪は濡れた頭を拭きながらソファの轟の隣りに座った。
実は2人は先日から付き合い始めた。もちろん周りには秘密にしていた。
交際が始まりキスをして次の段階に進もうとした時。轟は爆豪を拒否してしまった。それ以来2人には微妙な距離ができてしまい今に至っている。
「爆豪…この間は悪かった」
「…俺もがっつきすぎた」
爆豪の言葉に轟は言葉が続かず下を向いてしまう。その視界には机の上に置かれたまだ手を付けていないショートケーキが目に入った。
クラスメイトの砂藤が轟の誕生日にと何種類ものもケーキを作り食べきれなかったものだ。その誕生日ケーキの生クリームを指で掬って爆豪の前に手を伸ばす。
「なんだよ」
轟の行動に眉間にしわを寄せる爆豪。
「食ってくれ…」
下を向いたまま発せられた言葉。
爆豪が轟を見ればみるみるうちに耳や首が赤く染まっていく。
爆豪は伸ばされた腕を掴み、口を開けて舌を覗かせた。
「`食って下さい`だろ」
爆豪は差し出された指のクリームを舌で舐め取ると轟の腕を引き自室へと歩みを進めた。
Happy Birthday 轟くん!