Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    アゲハワークス

    @monica7_seven

    すらいむです。しばらくはジャンおみのみになります。中の人はリバも美味しくいただきます。
    リスイン限定のものもあるので、そちらはX(Twitter)にて申請お願いします。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 35

    アゲハワークス

    ☆quiet follow

    魔女っ子スプちゃん
    書きたいところだけざっくり仕上げ

    【autres】魔女っ子スプちゃん【第一話 誕生! 魔女っ子スプちゃん】

    「へーんしんっ!」
    優が魔法のステッキ──もとい、オリハルコンナイフを天にかかげると、それは鮮やかな青い光を放ち、優の全身を包み込んだ。



    御神苗優。十六歳。
    小学館第三高校在学、ごく普通の高校二年生だ。
    学校帰り、学友と別れた優はダラダラとしながら、下校していた。
    「なんか、面白い事ないかなあ」
    夕方に差し掛かった空を見上げると、なにかが光った気がした。
    「ん……?」
    そのまま光った箇所を見つめていると、猛スピードで何かが落ちてきた。

    コツン

    それはそのまま優の額に激突した。

    「……えっ、いた……くねえな?」

    ポーン

    額に当たったそれは、そのまま跳ね、優の手の中に落ちてきた。
    十五センチほどのぬいぐるみのような二頭身程度のそれ。
    頭には尖った耳、淡い金色の体毛、同じく金色の尾。
    目を回し、開いたまま気絶しているようだが、その瞳は晴天の青い空のような色だった。
    「……なにこれ、……ぬいぐるみ……じゃないな。犬? 猫? 生き物? お前大丈夫?」
    声をかけてみるが、反応はなかった。
    「……どうしょう……これ」
    優は手の中の生き物を見つめると、軽くつついた。温かく、小さく鼓動しているのがわかった。
    「生きてるなら、ほっとけないよな」
    優は謎の生き物を制服の胸ポケットに入れた。

    「ただいまっ」
    優は家に帰ると、足早に自室に向かった。
    ポケットの中の生き物は、まだ目覚めていない。本当に生き物であるなら、少し心配だ。
    優はポケットから生き物を取り出すと、ベッドに寝かせた。
    今は閉じられているが、さっき見た青い瞳が忘れられない。
    「綺麗だったな」
    優は生き物を軽くつついた。
    「水とか用意した方が良いかな」
    優は私服に着替えると、キッチンへ向かった。

    「まったく……挨拶だけで顔を見せないで」
    キッチンに行くと、姉の秋葉が呆れた顔で言った。
    「……ごめん、ごめん……ちょっとね」
    優は冷蔵庫から水と牛乳を取り出した。
    「全部飲んじゃダメよ。夕食のシチューに使うんだから」
    「はーい」
    優は牛乳をグラスに注ぐと、残りは冷蔵庫に戻した。
    「オヤツもちょうだい」
    「そこの棚のクッキーでいい?」
    「……ありがと」
    優はクッキーを取り出すと、キッチンをあとにした。

    優が部屋に戻ると、小さな生き物がベッドの上に腰掛けていた。
    「あっ、目覚めたんだ」
    デスクに戦利品を置き、ベッドに近づいた。
    「ここは……? お前は……?」
    「俺はユウ。御神苗優。俺のオデコに、お前が落ちてきたんだよ。ここは俺んちの俺の部屋」
    「そうか、それは世話になったな」
    生き物が優を見つめた。
    「お前、なかなか態度でかいね。つーか、話せるんだ」
    「まあ、な。当然だろ」
    生き物が立ち上がり、胸を張り、優を見つめた。
    「その見た目で言われてもね」
    優が生き物の頭を軽くつついた。
    「こら、やめろっ」
    「だって、こんな可愛い」
    また優が生き物をつついていると、ガブリとその指先に噛みつかれた。よく見れば立派な犬歯があった。
    「いってぇっ」
    「お前がやめないからだ」
    プイッと生き物が顔を逸した。
    「そういや、お前名前は?」
    「……オレの名はジャックモンド」
    「じゃっく…? もんど?」
    「ジャン・ジャックモンドだ」
    「ジャックモンドか、名前格好いいな」
    「そりゃどうも。ジャンでいい」
    「なあ、ジャンはなにか食べる? クッキーと牛乳持ってきたけど」
    優はデスクからクッキーと牛乳を持ってきた。
    それを見た途端、ジャンの腹が鳴った。
    優はクスリと笑うと、クッキーを差し出した。
    「はい、どうぞ」
    「……いただきます」
    ジャンは、自分の顔と同じサイズのクッキーを受け取ると、食べ始めた。
    「お前……いくつだ?」
    ジャンはモグモグとクッキーを食べながら、優を見つめた。
    「年? 十六だけど。もうじき十七だぜ」
    「フン、そうか……」
    ジャンはクッキーを食べる手を止め、また優を見つめた。

    魔法少女にならないか?

    ジャンの言葉に優が固まった。
    「はああああっ?」
    「だから魔法少女だ」
    「……少女って、せめて少年にして」
    「ゴロが悪い」
    「そこ!? そこなの!?」
    「細けえ事はいいんだよ、二次創作だ」
    「それ言っちゃダメなやつ」
    「しかもパロディだ」
    「メタ発言禁止!」
    「……で?」
    「で、と言われても……なれるの?」
    「なれる」
    ジャンはクッキーを置くと、背中から刃渡り三十センチはありそうなナイフを取り出した。
    「どこから……」
    「細けえ事はいいんだよ」
    「それは?」
    「魔法のステッキだ」
    「どう見てもナイフ。しかもわりとデカい」
    「気にすんな」
    「物騒な」
    「武器ってのは、持つもの次第だ」
    「急なシリアス」
    「で?」
    ジャンが鼻息荒く優を見つめると、優が見つめ返した。
    「それで変身できるの?」
    「できる」
    ジャンはナイフを優に差し出した。
    「ナイフを天にかかげて」
    「やっぱりナイフ!!」
    「大人しく聞け」
    「……はい」
    「ナイフを天にかかげて……」
    「かかげて……?」
    「魔法の言葉を唱えて……変身」
    「魔法の言葉……?」
    「そう、持てばわかる」
    優はナイフを受け取った。

    「ところで魔法少女ってなにすんの?」
    「世界を守る」
    「壮大だな」
    「この世の中に、どんな願いも叶えてくれる魔法のギヤマンのベルがある」
    「どんな願いも……ギヤマン? ベル?」
    「これだ」
    またジャンが背中から、ベルを取り出した。
    透き通った、十センチほどのベルだ。
    「どこから……?」
    「魔法だ」
    「まあ、いいや……で、そのベルが?」
    「全部で七つ、世界に散らばっている。これはそのひとつで、俺はふたつ持ってる」
    「残り五つ?」
    「それを悪い奴らより先に手に入れて欲しい」
    「お約束な展開」
    「で……?」
    「……ああ……うん、いいよ、なっても」
    「フッ軽だな」
    「学校に支障がなければ」
    「それもそうだ」
    「なら、……契約成立?」
    「契約なんてしねえけどな」
    ジャンがまたクッキーをかじった。

    「とりあえず変身してみろよ」
    「……うん、……えっと……魔法の言葉っと」
    優がナイフを天にかかげた。
    心の中に、魔法の言葉が広がる。

    allons evolution spriggan
    アロン エボリューション スプリガン!!

    「へ〜んしんっ!」
    青い光が優の全身を包む。
    ふわりと体が宙に浮いた。
    「……なにこれ」
    光が体に触れ、通り抜け、その度に衣服に変化が起こる。
    「……これが……魔法?」
    青い光がひときわ眩しく優を包み込んだ。

    「……これ」
    変身が完了した優が自身を見つめ、固まった。
    ジャンは満足げに、それを見つめた。

    ミニスカートじゃねえか!

    「魔法少女だからな」
    「俺、男子高生だけど!?」
    「今は魔法少女だ」
    「スカート短すぎだろ」
    優がスカートをめくると、トランクスが丸見えになった。
    そもそもスカートが降りていても、トランクスの裾は見えていた。
    「恥じらいを持て」
    「男子高生が?」
    「色気ねえな」
    「男子高生だよ!?」
    「セクシーな下着ねえのか?」
    「あるわけないだろ?」
    「見せパン的な」
    「男子高生だって言ってるよね?」
    「用意しておく」
    「いらねーから!」
    優はスカートを下ろして、ジャンを見つめた。
    「っていうか、こういうの今時はレオタードとかになってるとか、見えないようになってるもんだろ」
    「作者が昭和生まれだ。パンチラは基本だろ」
    「それ、またメタ発言な!」
    優はあらためて、自分を見つめた。
    フワリとした白いミニスカートに、袖もヒラリとフワリとしている。
    体にフィットした薄手の生地には、果たして防御力はあるのかが不安になる。よく見ればブーツにもご丁寧に、ヒラリとフワリとしたものが付いている。
    頭にもなにか髪飾り的なものが付いているようだ。
    優はスカートを掴むと、ジャンを見つめた。
    「せめてもう少し長くならねえ?」
    「無理だな」
    「……これ、防御力とかあんの?」
    「そいつはアーマードマッスルスーツってんだ。こう見えて、オリハルコン製だ。服もナイフも」
    「オリハルコン?」
    「伝説の金属と言われる精神に感応する金属」
    「精神に感応?」
    「その名の通り、お前の精神に感応して……発動する。発動すれば、あらゆる銃弾を弾き返し、人工筋肉によって通常の三十倍以上の力を引き出すことができるっていう、すげーしろもんだ」
    「ミニスカートだけど?」
    「ミニスカートだな」
    「ミニスカートなのに、すげえな」
    「サイコブローも打てっから」
    「ミニスカートなのに……?」
    「すげえだろ」
    「すげえです」
    優はあらためて、自分の体を見つめた。

    「さて、さっそく行くか」
    「どこに?」
    「ベル探し」
    「夕食までには帰りたいんだけど、あてはあんのかよ?」
    「……トルコ、……エジプト、……チリ、インド」
    「海外じゃねえか」
    「富士山にも多分」
    「どちらにせよ、遠いな」
    「魔法でどうにか」
    「なるの?」
    「なる」
    「魔法すげえな」
    「お前がやるんだからな」
    「……はい」
    「俺と額を合わせて……」
    優はナイフを腰のホルダーにしまうと、ジャンを手に取り、額に当て目を閉じた。
    イメージが広がる。
    ジャンの言ったトルコ、エジプト、チリ、インド。そして、日本の富士山。
    「見えるか?」
    「うん、見える。魔法すげえな。ちょっとワクワクしてきた」
    「そのイメージの中の一つを強く思って……」
    「思って……?」
    「ワープだ」
    「え? ……そんだけ?」
    優が驚いた顔でジャンを見た。
    「おう、簡単だろ」
    「……パスポートいる?」
    「いるわけねえだろ。見つかる前に、ちゃちゃっと行って、ちゃちゃっと回収」
    「簡単に言うな」
    「簡単だからな」
    「密入国だけど?」
    「だから見つかる前にちゃっちゃとだな」
    ジャンは偉そうに胸を張った。
    「ほれ、行くぞ」
    優はとりあえずうなずきながら、カバンを手に取った。
    「さすがにパンツ丸見えはどうかと思うんで……」
    優は学生カバンからジャージを取り出した。
    「なんだ、そりゃ?」
    「ジャージ」
    「それはわかる」
    「なら、わかるよな」
    優はジャージズボンを身に着けた。
    「色気ねえな」
    「丸見えな方がダメだろ」
    「魔法少女にパンチラはつきものだって言っただろ」
    「トランクスだから! あとメタ発言禁止!」
    「つまらん」
    「ついでに、少女禁止」
    「めんどくせえ」
    「せめて、魔女っ子」
    「仕方がねえな、魔女っ子な」
    ジャンが小さく舌打ちした。

    「んじゃさっそく!」
    「おう」
    「イメージを思い浮かべ……」
    優が再びナイフを天にかかげた。

    アーマードマッスルスーツの力見せてやらあ!

    優とジャンを青白い光が包み込んだ。

    最初の行き先は──?





    【次回予告 推参! 金髪仮面】

    ピンチの優の前に颯爽と現れた口の悪い金髪ロン毛ポニーテールのイケメン!
    その名も金髪仮面!
    しかしよく見れば、仮面をつけていないぞ!
    どうなる優!!!
    どうにもならないぞ!



    【次回予告 登場! 悪の魔法っ子!?】

    ミニスカボー&暁が現れた!
    どうする優!?
    優のピンチにまたもや颯爽と現れた金髪仮面!
    長い金髪ポニーテールが風にたなびく!
    でもやっぱり仮面はつけていないぞ!
    今日も口は悪いがイケメンだ!



    【次回予告 出たな! 悪者ラリー】

    魔法のベルを狙う悪者ラリーが現れた!
    ボー&暁のボスだぞ!
    なんとラリーはすでにベルをひとつ持っている!?
    なんとかして奪い返さないと大変だ!
    どうなる優!!
    こうなったらお色気作戦だ!?



    【次回予告 大好き! 金髪仮面様】

    いつも颯爽と現れて、優を助けてくれるイケメン金髪仮面!
    そんな金髪仮面に恋してしまった優!
    とうとう夢にまで現れた!
    どうする優!!!!
    やっぱりどうにもならないぞ!



    【次回予告 最終回 さよなら!! ジャン】
    とうとう魔法のベルが全部集まった!
    優とジャンの別れの日がやってきた!
    そんなジャンが優の目の前でベルをかかげると……なんと!?
    ジャンの正体とは!?
    どうする優!?
    優とジャンはどうなる!!!



    続かないよ!!

    一番苦労したのは、魔法の言葉です。
    レッツ変身、みたいな意味をフランス語で(芸風)
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😂💕💕💕💕☺💞💞💕💒👍👍👍💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works