特別な願い事を オレは確かにオアシス・メイカーと唱えたはずだった。風呂上がりのジャミルに美味しい水を渡そうと思ったのに。
「カリム様、なんなりとご命令を」
オレの目の前には理性の光を失ったジャミルが跪いている。
「ジャミル!?いったいどうちゃったんだよっ!」
「はい。カリム様が俺にスネーク・ウィスパーを使ったからです」
「っ!?!?」
ーーージャミルの言う事を要約すると、恐らく昼間飲んだ魔法薬が何らかの作用を起こし、オレ達のユニーク魔法を入れ替えたのではないか、ということだった。
まだ気持ちはついてこないけれど、状況は整理できた。でもこんな夜更け、誰に相談できるはずもなくとりあえずオレの部屋に移動した。
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