reservedシャツに腕を通す。ネクタイを締める。ルーティンと化した流れでカイの身支度は完了する。仕事柄緊急呼び出しも珍しくないから、いちいち準備に時間をかけてはいられない。
「おい起きろ。いつまで寝てるんだ」
未だベッドの中のレッカへ声をかける。まだ覚醒していないのかと思いきや、案外ハッキリと揶揄いを含んだ笑いが返ってきた。
「抱いた翌朝にかける言葉がそれかよ。そんなんじゃモテねえぞ」
「うるさい。早く支度しろ」
へいへい、と雑な返事をしながら起き上がるレッカの肩に解かれた銀髪がさらりと流れる。髪留めどころか、一糸まとわぬ裸体。昨晩、カイが散々触れて、抱きしめて、貪った身体。気まずさにカイはあからさまに目を逸らした。レッカは辺りに放り投げられていた服を拾っては身につけていく。
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