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    僻地。

    ミンナココニイタ

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    僻地。

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    テラ俺(BLD) 眼球舐め
    後でセックスする続き書きたい

    エーデルワイステラは友人である男とバーで待ち合わせをしていた。しかしこれは前々からの約束ではない。テラが業務を終える三十分ほど前に「ねえ、今日飲むよ」と一報した集まりで、このバーはテラの職場からは近いけれど、男にとってはそうでもない。なので、さっさと本日の仕事に片をつけてきてすぐさま入店したテラは、一時間ほど男を待つことになった。

    はたして男が「遅れてごめん!」と言いながら入店した時には、ハイペースで飲み続けていたテラはもうすでにべろべろに酔いつぶれていた。
    「やっと来たぁ」にぃっと子どものようにいたずらな笑顔を浮かべて、真っ赤になった指先をひらひらさせる。「ほら、横座んな」
    それに従って男が横に腰を下ろして、とりあえずテラと同じものを注文している間に、テラは男ににじりよる。そして腿に手を置いて顔を覗き込んだ。
    「ふへへ‥‥。テラくんきれいだねぇ、ほんとかわい〜‥‥」
    その目に映った自分を見ようとしていたのだった。
    つるりと丸い眼球に映り込む美しい男。金色の長い髪は乱れたことでさらに色気を醸し出しながら、張り出した白い肩にさらさら流れている。赤くなったほっぺはチャーミングだし、うるんだ目なんて宝石さえハンカチを噛み締めるくらいきらきらしていて‥‥そう、テラの目は興奮でうるんで視界が曇っていたし、鏡にしている眼球はそもそも鏡にしては小さすぎて、テラの美しい肉体をしっかりと捉えることはかなわない。
    だからこそテラはさらに男に身を寄せた。「あーん、テラくんがよく見えないよお、こんなにかわいいのにい、もっと見せてえ」顔を両手で掴み、さらに顔を寄せるどころか、席からも体をはみ出させて、ついに男の膝に乗り上げてきた。
    「テラくん!」
    膝の上にかかった重みと熱に思わず男が声をあげる。スカートがめくれあがってあらわになる白い太ももに、誰か店内の客が口笛を吹いた気がする。けれどそれどころじゃなかった。テラの美しい顔が‥‥今は勝手にむくれて、頬を膨らませている‥‥もはや見えなくなるほどの近さにあるからだ。「ひっ、ひっ___」男は歓喜で喉を引き攣らせていた。心臓の音が早まりすぎて、鼻血も出そう。ぎゅうと胸元をつぶすように握る。身体中の毛穴から汗が噴き出るようだった。

    「あは」
    テラが笑った。そこまで近づいたから、さすがによく見えたのだ。口から吐き出された酒臭く生暖かい声が顔の敏感な皮膚に触れて、男はもうたまらなくなって、ついにひきつけに近い症状が出てきた。テラはさらに体を密着させ、男の頭を抱え込む。後ろから従業員らしい人が、見かねてか声をかけたようだがお構いなしである。「うふふ‥‥なんってかわいいんだろうテラくん! かーわいい! 大好きっ! お酒に酔った姿がすんごくセクシー! 僕は君に酔ってるよお首ったけ! もう結婚してくれい!!」
    かわいい。かわいい。かわいい。テラちゃん、今日はべろっべろに酔ってる。なにか仕事であったのかもしれん。でも、めちゃくちゃかわいい‥‥。

    舌ったらずにまくしたてながらぎゅうぎゅう抱きついてくるテラ。男はもはやその快楽を、役得だと思って彼が飽きるまで享受することに決めた。しかし、決めた直後に、
    「‥‥ねえテラくん、キスしよ」
    テラの桃色の舌が男の眼を覆う。
    「うっ!?」
    これには男も驚いてびくん! と体を跳ねさせて、体を引こうとする。「やあだ、動かないでぇ、かわいーテラくん、すき、すきっ」しかし乗っかっているテラのほうが今は強い。好き勝手にされるしかないのだ。
    下瞼のあたりに指を引っ掛けて、反射的にとじる上瞼を引っ張り上げ、黒目にかぶりつくようにキスをして、やはり舌先で愛撫する。柔らかいむにむにしたあのくちびるにやさしく口付けられる感触と、ねろねろと自在に動く舌の立てる粘着質な音。
    ちゅぱ、ぷちゅ、くちくち‥‥、にちゃっ‥‥、れる‥‥、「んむ‥‥」あむ、ちゅっ、くちゅっ‥‥「うふふふ‥‥」
    唾液ととめどなく流れる涙の音が混ざり合ってバーの片隅がセックスしているような雰囲気になってようやく、諦めたのか、それとも男がまんざらでもない様子なので納得したのか一旦離れていた従業員の男が戻ってきて、何をしているのかまではわからなかったようだが、淫靡な雰囲気なのを察知して引き剥がしにかかった。「お客さん! 盛り上がりすぎですよ!」
    「んぇ〜、やぁ、もっとキスするの」
    「そういうことをなさるのは他の場所で‥‥」テラの細肩を引っ張った従業員は、男の真っ赤になった目を見た。まぶたや頬ではなく、目をしゃぶられていたのに薄ら気づいたのか、従業員は一瞬怯えた顔をした。それは、そんな目にあった男が、両目からとめどなく涙を流しながらも恍惚とした顔だったからだ。
    そう。気持ちが良かった。(痛い、苦しい、しぬほど痛い)と、(この後絶対なんか目の病気になる!)と思っていても、テラにあんなに密着されて、大事なところを舐めしゃぶられていることが気が狂いそうなほどの快感をもたらした。ああもうダメになってもいい。この人のためになら全身ボロボロになってもいい! いや、むしろなりたい! 永遠に感じる苦痛の中で、あまりにことに血の気が引いて手足の感覚を失いながら男は一方でそう歓喜していた。

    さて、引き剥がされて冷えた座席に座り直したテラはいつのまにか男に供されていた酒のグラスを奪い取って一気に煽った。男はそれを自分で支払い、テラに肩を貸しながら退店した。



    ハイヒールなのがなんとも心配なので、テラを抱えるようにしながら男は夜の街を歩いていた。これはあのお宅まで送っていく必要がありそうだ。
    「ねえ、言っとくけどぉー、僕だって、だれかれ構わずこんなことしないからねぇ」
    「こんなこと」「キスだよお、キス!」
    あ、一応俺にキスしてるって認識はあったのか……。
    「…………いい?」
    「何が?」
    男はそう返答してから、あ、キスしていいかって聞いたのか、と思った。しかしテラが指差していたのは自分の、ましてや男の唇ではなく、自身の左側にあるラブホテルだった。「えっ」
    「んふふ……無断外泊は理解くんに怒られちゃうかもー。でも、迎えに来たって童貞だもん、ラブホなんて怖くて絶対入れないよ……うふふふ」
    なにやら好き勝手言われているあの男に同情しながら(テラをこうして送った時、男は何回か流れ弾を喰らっている。とんでもない声量で怒られているテラを横目に、家の中から出てきた男が「あどうもーテラさんのお友達ですよね。首輪引っ張ります? 理解くんは僕ら以外にも容赦ないからなー…怒られる前に出た方がいいですよ」と言いながら逃がしてくれるのがよくあることだった)男は薄らと、あの興奮を思い出した。
    きっと愛とは差し出すことだ。
    この凡百なる矮小な自分にできることは、美しい人に、骨身を惜しまず全てを捧げること。
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