ときめき 今日は彼女と初めて花火大会に行く。さすがに俺も幼稚園や小学生では彼女を花火大会へ連れ出せなかったので、高校生になった今、こうして彼女と花火大会へ行けるようになったことは単純に嬉しくて彼女に一緒に行こうと誘われたときは即座にOKした。
浴衣に着替えて待ち合わせ場所へ向かうと、既に浴衣姿の彼女が待っていた。彼女の浴衣姿も初めて見るが、誰にも見せたくないくらい似合っていて、改めて今日がデートなんだと実感した。小さい頃も彼女と二人で遊んでいたが、こういうきちんとしたデートは初めてだ。
「浴衣、歩きにくくないか?」
「大丈夫。玲太くん、ゆっくり歩いてくれるから」
彼女がきちんと隣を歩いているか何度も確認してしまう。彼女と一緒にいるのが当たりだった小さい頃は気にならなかったことが気になるようになった。小さい頃よりもずっと彼女を意識している。
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