ガバガバースなビリグレ③ 結局、その後次々と談話室に訪れた知り合いたちと談笑をしていたらいい時間になっていた。そろそろグレイが帰ってくるから、と断ってその場を後にする。
集まった知り合いたちにもそれとなく匂いの話をしてみたが、みな心当たりはないようだった。それどころか最近強まってきたグレイの香りに気がついている人すらいないときた。
(俺の勘違いか……もしくはやっぱりDJの言う通り、サブスタンスかなぁ?)
まあ事実として共に過ごす時間が長いのは二人ともお互いなのだから、どちらかに異変がおきたら影響を受けやすいというのもあるだろう。なんにせよ検査を受けるに越したことはない。
そのまま真っ直ぐイーストの共同ルームへと向かう。ドアが見えてきた時、スンッと鼻から息を吸った。
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