心のフレームびしょ濡れの服を絞りながら、こんな雨が降るなんて聞いてない!と大きくため息をついた。さっきまで上昇していた気持ちが急激に萎んでいくのを感じながら、帰ることも出来ないくらい、更に激しく降るようになった雨をぼんやりと眺めていた。今日は本当についてないなぁと心の中で呟く。
でも、しばらくして一つの人影が遠くからこちらへやってくるのを確認すると、萎んでいた気持ちが一気に急上昇していったのを感じた。
あれはキースだ。間違いない。
「おーい、ディノ。」
と遠くから俺を呼ぶ声がして思わず笑みがこぼれた。
「キース、迎えに来てくれたのか?ありがとう!」
「お前なぁ、午後から急な雨の予報だってテレビで言ってただろ?」
と傘を差し出しながらキースか言う。
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