日曜の朝は彼らにおまかせ☆ (たかにど壊胎・たかにど傀逅コラボギャグ)この二次創作はギャグSSですが『たかにど壊胎』『たかにど傀逅』両セッションのネタバレ全開です。
未視聴の方は見ないでください。
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「ここどこや!?優、無事か?」
「ああ、なんかわからんが、突然後ろから布で口ふさがれて、気付いたらここや」
「この感じ、既視感あるねぇ、少年」
「なんで僕はこんな目にばっかり会うんだ…」
よくわからない部屋で目覚めた4人。
机と出入口らしい扉がある。と、扉が向こう側からドンドンと強く叩かれ…
いきなりのモンスター登場。
「急展開すぎる!ついていけへん!」
「これも既視感あるねぇ」
逃げようにも、出入口はモンスターがふさいでいる。ちなみに消火器はない。
「どないしたらええんや!」
すると、勝の耳に声が届く。
『変身アイテムを授けます。これを使って戦いなさい』
机の上にジェラルミンケースが現れる。
「声が聞こえる!変身アイテムくれたらしいで!」
「俺には聞こえんかった。悔しいな…やっぱり俺には資格がないってことなんか?」
「優、大丈夫や!俺が必ずお前のことも、味方くんたちのことも守ったる!」
勝はジェラルミンケースを開ける。
中に入っていたのは2本のステッキ。
ピンクと白を基調にしており、先端にはリボンと、宝石のような大きなお星様がついている。
「ってこれ、あきらかに女児向けの変身アイテムやろ!!ニチアサ違いや!!!」
「ここに説明書があったよ」
と雪忠が3人の前にひょいと見せた紙には、
『ステッキをもって、おほしさまがピカピカひかったら、2人そろって「へんしん☆」といってね』
ふざけた丸文字で書いてある。
「2人揃ってかぁ。少年なら変身できるんじゃない?ほら、ピンクと白似合うし」
「どういう理屈だ。僕が変身できるなら、おっさんだって変身適性あるはずだろ」
「え、おじさん?うーん、どうかなぁ。あ、ダメだ。持っても光んない。はい次、少年ね」
雪忠にステッキの柄を向けられて、味方は嫌そうに握る。
すると、『そうだよ。君だ君』と言わんばかりに星が輝きだす。
「味方くん、さすがや!適性がある人間が持たんと光らんのやな。俺は…」
勝もステッキの柄を握ってみると、『ぜひ君でお願いします』と言うかのように、やっぱり光る。
「選ばれてしもた。全然嬉しくないな。このアイテムのデザインからして、嫌な予感しかせえへん…」
「俺、変身できん人間でよかったわ…」(俺もお前と変身したかったわ…)
「優、本音と建前が逆になっとるやないか!」
「すまん。ついボケの習性で」
「僕は絶対変身しないぞ!」
しかし、モンスターは明らかに敵意を持って、しだいに4人ににじり寄ってくる。
「味方くん、四の五の言ってられへん!変身や!」
「なんでかなー。おじさん、長いことすっごく寒いところにいた気がするんだよなぁ。せめてあったかいところで死にたかったな」
「ぐっ…!」
味方の心に罪悪感という名のダメージがMAXで入る。
「味方くん、腹くくって、やらなあかん時もある。それが芸人っちゅーもんやで!」
「僕はパティシエだ!」
「あんまりよく覚えてないんだけど、なんか遠いところでバーンって爆発する音が聞こえたんだよねぇ。それからおじさんは、とっても寒いところに・・・」
「ぅぐぁっっ…!!!わかったよ…変身すればいいんだろ!?」
相当しぶっていたものの、結局2人揃って、
「「…変身」」
勝と味方の身体はまばゆい光に包まれる。そして現れたのは…
「って、やっぱり魔法少女やないかぁぁぁぁぁ!!」
フリルたっぷりの可愛らしい衣装に身を包んだ、成人男性がふたり。
「いや、わりと似合っとるで!こんなえらい姿の相方と組んだらM-1優勝間違いなしや!」
「優、多くのリスナーたちが涙した感動の台詞を、こんなところで使わんといてくれ!」
「…(黙ってブルブル震える)」
「し、少年似合…ぶっ、あはははははははは!!!」
「…(モンスターより、爆笑するこの男を叩きのめしてやりたい)」
「とにかくあいつを倒さんと!どうやって技とか出すんや!?」
「知るか!!」
そして・・・
《戦闘終了です》
「よっしゃあ!味方くん、なんとか勝てたな!」
「ただステッキでひたすらガン殴りするだけだったら、変身する意味なかっただろ!クソがぁぁぁ!!」
ここで雪ちゃん、優にだけ聞こえる声で
「あの変身アイテムさ、柄の手元のところ、縞々のデザインになってるでしょ」
「はあ、なってますね」
「あの部分さえちゃんと握れば、誰が持っても光るし、変身できるらしいよ。でも、衣装がヒラヒラした可愛いのに変わるだけで、戦闘能力はなんにも変わらないんだって。どっちかというと、あれは打撃用の武器なんだね」
「え、なんでそう思うんですか」
「さっき見せた説明書のウラに書いてあった」
「それ、もしかして最初から気付いてました?」
「騙されるほうが悪いよねー」
「…」
ようするに、意味がないのはわかっていたけど、面白そうだから変身させたらしい。
(味方くん、悪い人と出会ってしもたんやな…)
胸の内で、味方に同情する優だった。
*
さて、一方そのころ、霧須家では
ピンポーン
「兄さん、なにか頼んだ?兄さん宛に大きい荷物が届いたけど」
「?覚えはないけどな」
泰希がダンボールを開けると、中から出てきたのは、例のステッキ。
添えられた手紙には
『拝啓 霧須泰希様 ぜひ貴方様に三人目の追加戦士になって頂きたく云々かんぬん・・・』
バキィ!
「兄さん、あれ何?」
「近寄っちゃ駄目だぞ、芽亜」
三本目の冒涜的ステッキは、無事(?)泰希によってへし折られ、ゴミ箱に捨てられたのだった。
おしまい
***
先に書いた味方くんSSがしんどい内容になったから、心のバランスとるために笑いに走りました。
変身後イメージは初代ふたりはプ〇キュアですかね。髪色もいい感じ。
味方くんSSのしんどい方 『使命と望みの狭間で』