それはほんの手遊び「リオセスリ殿の手は綺麗だ」
突然、そうのたまったフォンテーヌの最高審判官様は二言目にその手に触れてもいいだろうか?とリオセスリが了承を言葉を紡ぐ前にひとりでに手を触り始めた。
おかしい。
俺はただマシナリーの今後の増産計画についての書類を届けにきただけのはずなんだが。
人並み外れた知力と容姿を持つ、最高審判官様ことヌヴィレットは極稀に突発的な行動を起こす。
この前は突然「君に使って欲しい茶葉がある」だの言われて街中で一緒に買い物に出かけることになったし、忙しい身であるにも関わらず直近では「世間話をしたくなった」だの言ってメロピデ要塞まで来てティータイムを共にした。
(世間話と言っても大半はメリュジーヌ達のことで、一緒にいたシグウィン看護師長は大変にご満悦だったことをここに記しておく)
1461