思いつきませんでした 食卓に並べられた豪華で手の凝った食事達。依頼が終わりお腹が空いていた私とパイモンは、それがまるで天国のようにも見えた。
「「いただきます!」」
「はあ……急がなくても、食事は逃げないからね」
この料理は私の大切な仲間である放浪者が作ってくれた。同じく依頼を手伝っていた彼は、帰っても作る気力がない、と嘆く私のために代わりに作ってくれた。なんと優しいのだろう。
「美味しい〜……」
「オイラ、この味付け好きだぞ!」
味付けの多くは、稲妻風だ。彼らしいといえば彼らしい。パイモンも頬が垂れてしまいそうなほど幸福そうな顔をしているし、私も実際幸せだ。
だって、好きな人の料理が食べれるのだから。
(もっと好きになっちゃうな……)
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