神様のいうとおり※桃あんです!
今日はいちだんと暑い日だった。遅れて『英智デー』に合流したあんずは、パラソルの下で涼んでいる英智に挨拶をする。
「お疲れさまです!」
「やあ、あんずちゃん。来て早々で悪いのだけど、見てごらん。桃李が懸命に作っているよ」
「あれって……」
英智の指さした先に、かき氷機があった。レトロな手回し式で、今どきお店でしかお目にかかれないものだ。削っている氷も、氷屋さんが作っているような、四角くて透明度の高いものだった。
「かき氷ですね! なんでまた」
「冷夏の影響で氷が余りそうだっていう話を聞いたから、買い取ってきたんだ」
英智の背後を見ると、製氷された氷が入っているらしい業務用冷蔵庫が鎮座していた。いったいこんな大きなもの、電源はどこからもってきているのだろう。あんずは思わず苦笑した。
1965