『選ぶ者、選ばれる者』「はぁ〜…」とため息をついて、修は先程学校で配られたプリント用紙を綺麗に折りたたんでカバンの中に詰め込んだ。
1日の終了の挨拶が終わった教室の中では、皆んな帰り支度をしながら”ある話″で盛り上がっていたが、修はできるだけその話を耳に入れない様にしながらそそくさと教室を出た。湿った空気の匂いとじきに降ってきそうなどんよりとした空が昇降口の先から見えて、修はビニールの置き傘を引き抜いてから静かな校庭を重たい足取りで横切った。
「はぁ〜…。」今日何回目のため息だろうか。修は今から向かう場所のことを考えてはまた気分が落ち込む。その場所とは『半人保護施設』と呼ばれる、その名の通り半人と呼ばれる種族が保護、管理されている施設の事である。
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