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    かがり

    @aiirokagari の絵文置き場
    司レオがメイン

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    かがり

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    ネタとして「秘する〜」に吸収されちゃったけど、単話として書いてた時のオチ部分がわりと気に入ってたので供養。
    時系列はズ!!軸なこと以外ではわやわやしてる。

    同室メンバーの関係性が詳しく分かる前とかに書いてた気がする。
    本当にズ!の月永レオくんが逆先夏目くんに向けていた若干キツめのあの感じなんだったんだろうな……とあれはあれとして新鮮で良かったな……のフュージョンです。

    #司レオ
    ministerOfJustice,Leo.
    #小説
    novel

    赤い頭ふたつ:司レオ?「スオ、」

     姿を見かけた後輩に声を掛けようとして、喉に音が引っかかる。何故かと言えば、よくよく見ると鮮烈な赤が、同じくらいの高さに2つ並んでいたから。
     どうにも最近、ESビル内でもそんな光景をよく見かける気がする。同じ事務所に所属するユニットリーダー同士、仲が良いのは何らおかしくはない。そう、思うのだけれど。

    「やぁ、騎士さま。どっちに声を掛けるべきか迷っちゃったのかナ?」

     最初から気がついていた、とばかりに向かって右側の赤が振り向いた。「レオさん?」と一拍遅れて振り向いたのは左側の赤だ。

     煽るように言う向かって右側のそいつは、同じ事務所であるところのニューディメンション所属、Switchのリーダー、逆先夏目。夢ノ咲学院の抗争期に出会ったことも影響してか、あまり互いの心象は良くない。

     あくまで当時の話として、事態を俯瞰して先行きを示す先導者を気取るにはまだ足りていないと思った。その状態で他者をいいように動かそうというなら傲慢だ、とも。
     それでも、おれが登校するようになってからは、また少し印象は変わったような気はしている。

    「別にそういうわけじゃない、なんで一緒にいるのかと思っただけ」

     Switchと一緒に何かを仕事をする予定があったかと言われれば、確か、無かったはず。
     大体、リーダー同士「だから」仲良し、なんて理屈はおかしい。だったら、自分だって、在学中にもっと夏目と接していたはずだ。……自分はしばらく不登校だったので、一概には言えないけれども。
     しかしそうなると、個人的に仲が良い、そういうことなのだろうか?

    「ちょっとした頼み事をしていたんだヨ。Knightsの新しい王さまは行動力がある上に物分かりが良イ。僕としても、学院の先輩として接する上で大変助かってるんだヨ。宙とも仲良くしてくれているみたいだしネ」

     ご機嫌な様子で目を細めて、徐にそいつは、恐らくいつもソラにしているみたいに、スオ〜の頭を撫で始めた。
     子供扱いはやめて下さい、と抗議しつつ、遠慮がある分、払い除けることはせずにいるスオ〜。
     その光景に、まるで猫のように逆毛が立っていくような心地になる。明らかに、おれがそうなることを見越して動いている。後ろ姿はともかくとして、似ても似つかない性根に、思わず喉から威嚇の唸り声が漏れ出る。

    「おおこわいこわイ。じゃあまた、例の件をよろしくネ」

     ――ス〜くん、と。
     含みを持たせて去っていく背中が曲がり角に消えた瞬間に、どうにか抑えていた感情が爆発した。

    「何なんだあいつ!!! スオ〜はうちの子なのに!!!」

    「『うちの子』って……あなたの『王さま』に対してその扱いですか? 大体、逆先先輩に対してどうしてそう敵視するような言動をするんです」
    「それは! あっちが突っかかって来るから!!」

     スオ〜にとっては、奴はあくまでも「良い先輩」なのだ。その何とも言えないもどかしさは言葉にできそうにない。音楽ならどうにかなるかな?!
     もしも此処にリッツが居たら、うまいこと言語化した上でおれに味方してやんややんや言ってくれるのに! きっと! 多分! ……いや、でもあいつは最近、どちらかといえばスオ〜の味方なんだった。

    「……『例の件』てなに」
    「Knightsには関係のないことですよ? ただ、『秘密の部屋』の管理の件で少し。あそこはまあ、知っての通り特殊な場所なので」

     おれに当てつけるだけ当てつけてはいたけれど、きっとあいつは心からスオ〜のことを買っているのだろう。この可愛い後輩に対する評価は我がことのように嬉しいはずなのに、こんなに憮然とした気持ちになるのは何故なんだろう。

    「……魔法使いの小僧に認められたんだから、おまえは立派な王さまになれるよ」

     選定の剣でも抜いてこいよ、と捨て鉢に吐き捨ててそっぽを向けば、「どういう拗ね方ですか」と突っ込みを入れられた。

     しばらくの沈黙。
     そうして、ふぅと息を吐く音が聞こえた。呆れられてしまっただろうか、と目線を上げてみれば、光を反射するアメジストと視線がかち合う。

    「よく聞いてください、レオさん」

     その瞳のままで、それは、まるで宣誓のように。

    「私は魔法使いに認められたから立派な王さまになる訳ではなく、あなたに――他でもないあなたに王冠を託されたから、そう成るんです!」

     ちゃんと覚えておいて下さいね、と勝気に告げられた言葉は、一拍遅れてようやく認識できた。
     ぽかんとした顔に、じわじわと興奮の熱が集まっていくことが自分でも分かる。並んだ赤い頭は去ったはずなのに、自分がもう一揃えのそれになってしまい兼ねない。そんな妄想は少しだけ愉快だったけれど、それでも、遠目で見間違うまでには足りないんだろうな。

    「はっ?? ちょっと、レオさん?」

     何だかそれは癪だったから、思わず目の前の赤い頭をかかえるように抱き込んだ。



    【終】
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