メイドなお仕事交易の要所であるその街は、様々な人種に種族、おまけに珍しい動物が行き交う夜でも賑やかな場所だった。
例の如く眠気に負けつつあるルックを、どこも満員な宿屋を端から巡りどうにか見つけた部屋に押し込むと。リオは心許ない路銀をどうにかするべく仕事を探しに紹介所へと足を踏み入れた。
巨大な街は栄えているだけに何もかもに対しそれなりの値段が提示される。
急速に肥大化していく街に、需要と供給が釣り合っていないためだ。
その分求人も多かろうと気楽に考えていたリオは、この後の自分の行動をとてつもなく後悔する破目に陥るのだがまだ、この時は予測もしていなかった。
人いきれでむせ返る程の賑わいをみせる、それなりの大きさを誇る紹介所で。小振りの体を存分に生かし掲示板まで辿り着いたリオは、しかし後から湧いて出てくる人の群れに押し流され、ゆっくりと内容を確認も出来ずに途方に暮れてしまう。
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