アキレウス×女夢主 マスターになった日のおはなし「マスターをやってみないか」と、かつて問われたことはある。
マスター適性はなきにしもあらずだったけれど、私はスタッフであり続けることを選んだ。へっぽこ魔術師でしかない、引っ込み思案な私が、マスターなんて大それた役割を担うことはできないと、勇気が出なかったのだ。
――――そうこうしている内に、皆の最初のレイシフトの時に、爆破事故が起こった。
私は難を逃れられて良かった――なんて不謹慎なことは決して言えない。
胆が冷えたのは真実だ。ドクターの指揮によって、自分の仕事と、欠員が出た部署のカバーに辛うじて奔走できた程度に過ぎない。
あの時からずっと、立香ちゃん達にばかり頑張って貰っている。申し訳ない限りだ。
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