司誕生日2023司の誕生日2023
もうすぐ日付も変わろうかという夜、やっと仕事を終えた司は眠りにつこうとしていた。
0時を過ぎた瞬間「坊、起きとるか~」部屋に来たのはこはく。
同室の2人はユニットでの仕事の為泊まりだとかで部屋には司しかいない。
「こはくん、こんな時間に何の用ですか」
せっかく眠りにつこうとしていた所をふいに起こされた司はちょっと不機嫌。
そんな事はお構い無しに「ほら、坊、えぇから行くで」とこはくは無理やり司を部屋から連れ出した。
「一体どこへ行くんです?こんな真夜中に…」
「坊、今日何の日か覚えてへんの?相変わらずやな」
「今日…あっ」
「ようやく気ぃ付いたんか。ほら着いたで」
そう行って連れていかれたのはレッスン室の扉の前。
「わしは坊を連れてくるようにKnightsの兄はんらに頼まれただけや。ふぁぁ、眠いからもう戻るわ。誕生日おめでとう、司兄はん。今日はKnightsの兄はんらに譲ったけど日を改めてスィーツ会でお祝いする予定やし、また連絡するわ」
こはくはそう言って部屋に戻って行った。
1人取り残された司は中の気配をうかがう為にそっと扉に耳をあててみるが物音すらしない。
恐る恐る扉を開けるとクラッカーの音と Happy birthday と出迎えてくれた笑顔のKnightsの先輩たち。
「レオさんに瀬名先輩は海外では?」
瀬名とレオは海外で仕事があるとかでしばらく帰れないと聞いていたのでその場に居ることに驚いた。
「スオ~の誕生日だから仕事さっさと終わらせて帰ってきた」
「ちゃんとかさくんの誕生日に帰ってきたんだから感謝しなよね」
「セッちゃんは素直じゃないねぇ。ほんとはね、セッちゃんス~ちゃんの誕生日をお祝いしたいから頑張って仕事を早く終わらせたんだよ」
とこっそり凛月が耳打ちしてくれた。
「司ちゃん、ほらぼーっとしてないで、ほらぁ、こっちよ~」
嵐に案内された先には凛月が作っただろうケーキ。
「スオ~早く。ほら、ローソクの火消えちゃう」
レオに急かされ一気に吹き消す。
そして おめでとう と祝福してくれる笑顔の先輩たち。
先輩方と出会う前の司の誕生日は両親も忙しくいつも1人で過ごしていた。
こんなに賑やかな楽しい誕生日がこれからもずっと続きますように、と司は願うのだった。