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    かほる(輝海)

    @kahoru1010

    テキストは個人的に作られた非公式のものです。
    原作者様・出版社様・版権元様とは一切関係ありません。
    無断転載・複製・複写・インターネット上への掲載(SNS・ネットオークション・フリマアプリ含む)は禁止します。

    (えろメインの)字書きです。
    絵はアイコンレベル。
    小説画像メイン。
    時々趣味のアイロンビーズやハンクラ作品を投稿。
    18歳未満はフォロー非推奨。

    シティーハンター(獠香)
    逆転裁判(ナルマヨ)

    いつもリアクションありがとうございます(*´ω`*) 
    単純な人間なので、反応があると嬉しくて、また次の作品を書く励みになります。

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    かほる(輝海)

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    シティーハンター
    冴羽獠×槇村香
    原作以上の関係

    新聞でとある記事を読んだら、急に滾ってきた(*´ω`*)

    いくつになっても手をつなげる人がいるってのは幸せだよね。

    #シティーハンター
    cityHunter
    #cityhunter
    #冴羽獠
    saeha
    #槇村香
    makiMurakami
    #小説
    novel
    #掌編
    conte
    ##CH

    冬の足音が聞こえ始めた、新宿の街。街路樹の銀杏も黄色く色づき始め、冬支度を始めていた。
     朝もめっきりと寒くなり、いつもは早起きの相棒も、俺の懐へ潜り込んでは束の間の二度寝を楽しむようになっていた。うっかりそのまま香が寝入っていたら、遠慮なく俺が「朝の運動」へ誘っていたのだが、最近は少し学習したらしい。ウトウトした後に慌てて飛び起き、慌ただしくベッドから逃げ出していくことがほとんどだった。
     午前中はダラダラと過ごし、午後の伝言板チェックへ出かけた香から少し遅れて、俺は家を出た。吹き付ける北風は、頬を切るような冷たさだ。つい俺も、両手をポケットへ入れたまま、背を丸めて歩いちまう。顔を上げようにも、街を行くもっこりちゃんは、あからさまに露出度も下がり、ちっとも目の保養にならねぇ。ここは温かな飲み物でも飲みながら、ついでに冷えた身体を温め合うのが一番いい。……となれば、まずは相手を探さなければ!
     俺はもっこりが立ち上がるかの如く顔を上げ、辺りの女を物色し始めた。
    『あっ! りょぉーっ!』
     遠くから名前を呼ばれたような気がするが、あえて聞こえないフリをする。早くもっこりちゃんを見つけて、身を隠さねば……!
    「やっぱり獠だ!」
     息を弾ませ俺のもとへ駆け寄ってきた女――香が、ポケットに突っ込んでいた左腕を、ぐいと引っ張った。
    「ぁんだよ。ボキちゃんは今、忙しいの」
    「どうせナンパが忙しいんでしょ? ちょうどいいわ! 付き合って!」
     香は俺の引き、駅とは反対方向にある繁華街の方へ向かって歩き始めた。
    「ひょっとして香ちゃんがボキちゃんのお相手をしてくれるのかなぁ……? ぐふふ♪」
    「ちょっと、勘違いしないでよ! 買い物の荷物持ちよ!」
    「へ……?」
     そんなのはまっぴらゴメンだと、俺は香の手を振り払った。
    「ちょっと待った! どうして俺が……!」
    「今日は醤油と味噌とお米とトイレットペーパーを買いに行くの! もうこれで三ヶ月も依頼がないのよ! 毎日だらだらしてないで、少しは家のために働いてもらいますからね!」
     香は俺が話しているのに遮り、なおかつ早口で捲し立てる。その勢いに押され、俺は反論を飲み込んだ。俺が黙り込んでいたら、香は俺が納得したと思ったのか、腰に手を当てニンマリと笑ってみせた。
    「わかればよろしい」
     ここで逃げ出そうもんなら、さらにハンマーが飛んでくるに決まっている。無駄な抵抗はしないほうが得か……。諦めた俺は、再びポケットへ手を突っ込み、目的地へ向かって歩き出した。
     あぁ。行き先はわかってたさ。いつもの香の行きつけの店だ。繁華街にある飲食店向けの業務用スーパーに行くところだったのだろう。あそこは駐車場が無いから、車では行けない。親切な店のオーナーは、香一人では大変だろうからと配達を申し出てくれている。だが、俺たちの家に出入りすることで、俺たちの命を狙う輩に目をつけられては大変だと、香が断ってるのだ。『だから、獠ちゃんも来てくれよ! あれだけの荷物、香ちゃん一人じゃ大変だぞ!』おせっかいなオーナーは、俺に釘を刺してもいた。まったく、この街の奴らはどうしてこうも香に甘いのかねぇ……。
     歩いていた俺の左腕へ、香が腕を絡ませてくる。腕に触れる胸の感触が、コート越しに伝わる。柔らかくて温かな、その肉の塊。反射的に腹の底がもぞもぞとして、落ち着かなくなった。
    「おい……」
    「いいじゃない、たまには。どうせ帰りは繋げないんだし」
     何も知らない香は、さらに俺へ身体を寄せてきた。女豹のようにしなやかな女の身体が、俺に触れている。ぐぐっと頭を擡げ始めたもっこりを、鋼鉄の理性で押さえ込み、俺は何食わぬ表情を顔へ貼り付けた。だが、このままじゃ、埒が明かねぇ……!
    「チッ……」
     俺は舌打ちとともに、組まれていた香の腕を解いた。一瞬、香は呆然としていたが、その右手を左手で掴むと、香の手ごとポケットへねじ込んだ。
    「邪魔だ……」
    「そう」
     香は素直に、俺のポケットから手を抜こうとした。だが、逃げようとする香の手を、俺はポケットの中で握り締めて離さなかった。
    「素直じゃないのね」
    「うるせぇよ」
     素直になっちまったら、この先の二つ目の角を曲がった「だーれも入って来ない袋小路」か、一本向こうの通りにある「なぜかベッドとシャワールームがある非合法の個室の喫茶店」に行くしかねぇんだよ。それを言っちまったら、確実に天誅が下されるだろうな。
     香と歩調を合わせて歩いていると、自然と顔が上がってくる。あれだけ丸めていた背中も、いつの間にか伸びていた。見上げた空は、青かった。あぁ、今日はいい天気だったんだな。
    「邪魔?」
     香はまだ、俺の一言を引きずっていたらしい。その証拠に、香は俺の手を握り返しては来なかった。
    「んにゃ」
     俺が前を向いたまま短く答えると、やっと香が俺の手を握ってくれた。ポケットの中が、急にサウナのように暑くなる。

     つい気っ恥ずかしくて「邪魔」なんて言っちまったが、そんなことはねぇよ。これが俺の利き腕でもある右腕へ絡んできていたなら話は別だが、お前は最初っから俺の左腕へ来てくれていたじゃねぇか。何かあったら、俺がすぐ対処できるように、な。意識的にそうしたのか、無意識なのかは、俺も知らん。だが、左手なら、お前にだけなら、許してもいい。
     生きるためとはいえ、いくらこの手で人を殺めようと、どれだけの人を傷つけようと、香は俺と手を繋いで歩いてくれる。きっと、これからも。そして、今際の際も。香は俺の手をとり続けてくれるのだろう。こうして手を繋いで歩いてくれる人がいる幸せを噛み締めながら、俺は慌ただしく人が行き交う雑踏を歩き続けた。


       了
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    Sasame

    DONEほらね……現実逃避よろしく、とばかりに書いちゃったよ。
    ツイで書いてたのと違うネタでね!( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ \ \

    甘い系を書いてみたかったからさ……
    I˙꒳​˙)コッソリ


    原作以上の獠香ちゃん。
    「……珍しいわね」
     目の前の光景に思わず言葉が出た。
     依頼人だった女性に誘われて獠が外に出掛けてから四時間。日付が変わる前に獠はアルコールの匂いを纏って帰ってきた。
    「獠、お水」
     リビングのテーブルに突っ伏して眠る獠に声をかけてみたが「う~」と小さく唸るだけで目を開ける様子はない。
    「さて、どうしようか」
     大柄な獠を抱えて部屋へと連れて行くのは困難だ。だからと言って季節の変わり目である今の時期に、このままにしおいて風邪をひかせるのも忍びない。
    「獠、お水ここに置いてるからね」
     獠の顔の近くにペットボトルを置いて部屋へと毛布を取りに行く。
     依頼人の護衛と共に敵の情報を得る為にこの一週間、獠は昼夜問わず動いていた。
    「やっぱり疲れていたのに無理してたのね」
     敵に狙われる怯える依頼人に獠はいつものように『もっこり』を口にして迫り香がハンマーで制裁していた。そして依頼が終わる頃には毎度のごとく依頼人は獠に惚れる。
     獠と香は公私共にパートナーであると告げても依頼人の『一度だけでも冴羽さんと食事がしたい』と懇願する姿に香は『NO』とは言えなかった。
     依頼を受けた時点で二人の関係を 1630