記者会見で自慢したいくらい好きな人について「あの、すいません!」
「あ?」
「モデルとか興味ないですか!?」
中学も卒業間近に迫ったある日。渋谷を歩いていると見知らぬ男に声を掛けられた。
「ねぇけど」
「そこをなんとか!話だけでも!」
聞いた意味あったか?という押しの強さである。この見た目であまり人から友好的に話し掛けられることもねぇから、その勇気を称して足を止めてやった。
「背も高いし足も長いし顔も小さいし、その上顔がいい!モデルやるために生まれてきたでしょ!?」
「いや」
足を止めなきゃよかったと思ったのはすぐだった。なんだコイツ、怪しいな。
「興味なくてもちょっとやってみません!?」
「いや」
さっさと立ち去った方がいいと、断りを入れようとしたその時。
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