星を観測していると、なんて僕らはちっぽけなんだろうって気付くんだよね。まあ、ありきたりな感想なんだけど間違いのない事実だ。
星はあんなに小さく見えるけど、物凄く遠くにあって、本当は地球よりも何千倍も大きい。僕たちはそれに比べたら砂粒の何分の一ほどの大きさもない。えっ、他のものに例えたら…?比率が極端すぎて、他の物体との対比は無理だよ。
でね、僕はそれを考えると時々ホッとするんだ。
そりゃ僕も星みたいにいつか輝きたいって思うよ。でも何もかもうまくいかないって気分になった時は自分がちっぽけだって事実にホッとするんだよね。僕はまだ何もかもを自分でどうにかできるほど大きくない。うまくいかないことがあったとして、全部が全部自分のせいじゃない。偶然とか、他の誰かや何かとの巡り合わせとか色々な要素が全部絡んで何かが起きるんだから、何かがうまくいかないとしても、それが自分だけのせいだなんてそんなわけない。そんなに僕は大きくない。思い上がりだよ。
そう思うと、ちょっと卑屈なんだけど安心する。君はそういうことないかい?ない?じゃあ、あると思った方がいい。ぜひオススメするよ。
君はちょっと引くくらい才能があって色んなことができるけど、君だけで何もかもを引き起こしてるわけじゃない。君も僕もあの星じゃない。僕らは人間なんだよ。だから、ね?ちょっと地球に降りてきて。僕の隣に立って。ほら、見て。星があんなに遠くに見える。僕らはまだあの星じゃない。忘れないで。僕らは星を見上げてるんだ。ここが僕らの場所だよ。ちゃんと地面に足をつけて、見てごらん。ほら!流れ星だ!