【2日目】【二日目】
「起きろ。太宰。起床の時間だ」
きっちりかっちり。一秒の狂いもなく六時に叩き起こされた。
「うう〜。眠いぃ。私は夜を生きるポートマフィアだったのだよ? こんな明朝はむしろ就寝時間みたいなものなのに」
掛け布団をくるりと体に巻き付けて、蓑虫になって抗議した。
「つべこべ言うな。探偵社員として、右目の太宰の代わりを務めるのだろう? だったら、起きて働け!」
そう言うなり、国木田君は布団の端を掴むと、思いっきり引っ張った。布団を剥がされた私は、ゴロゴロと畳の上に転がり出た。
「国木田君の乱暴者!」
ずりずりと畳に這いつくばりながら、怨色もあらわに国木田君を見上げた。
「顔を洗って来い。朝食も出来てるぞ」
3579