ファンタジーパラレルなロビぐだ♂ 第6話次の日の早朝、草の葉を濡らす朝露が乾くより早くロビンは家を発った。
「いってらっしゃい。本当の本当に気を付けてね。」
「はいはい、オレの嫁さんは心配性ですねえ。」
「ロビンにだけは言われたくなーい!」
名残惜しく出発の間際まで戯れ合いを続けはしたが、出立してしまえば歩みに迷いはない。適切なペースで、安全な[[rb:路 > ルート]]を、寄り道せずに。一見迂回路に見えても魔物や獣の気配を避ける方が最終的には早く着く。幸運にも天気に恵まれ、雨による足止めを喰らわず辿り着けた。
この辺りでは唯一の大規模な市場が立つ街はやはり村に比べて賑やかだ。しかし例の噂の所為か、活気ある雰囲気に一筋の物々しさが混じっている。 例えば買い物客と店主のやり取りや、路地の隅で情報交換をしているらしい兵士の姿。緩慢な速度で、けれども確実に忍び寄る不穏さに街全体が備えを始めている。そんな空気を肌で感じた。
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