おあそび 主に頼まれ、蔵の整理をしていた時の事だった
コロンと棚から何かが落ちる
「なんだこれ」
「どうしたんだい、大般若」
拾い上げればそれは、馬の頭を模した小さな細工物で
いつだったか、人の子がこれで遊んでいるの思い出した
「棚からこいつが落ちてきてな。確か、西洋で言うところの将棋の駒だったか」
ほい、と小豆に渡せば興味深そうに頭上に掲げくるくると回しながら観察する
「うまを、もしているのだな」
「ナイトという駒だな。他にも将棋で言う歩兵のようなものとかもある」
「なるほど…」
子供のように目を輝かせながら、やってみたそうにソワソワし始める小豆に可愛さを覚えつつ良いことを思いつく
「後でこいつで遊んでみないか」
「いいのかい?るーるはわからないのだけれど」
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